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ところで皆さんは、レ・ミゼラブルを
「罪人のバルジャンが宿を借りた司祭の家から銀の燭台を盗み出し、
後日、つかまるが司祭から許され、改心する。」
っていうような”あらすじ”のお話だと、お思いではありませんか?
それは間違いではありませんが、これから後に続く壮大で感動的なお話の、
ただの”序章のあらすじ”に過ぎません。本編はこの後始まるのです。
ぜひ、その後のバルジャンを、お確かめください。
さて、この作品にはあわせて「モンテクリスト伯」をお勧めします。
時代背景が極めて近いため、どちらから読んでも、よりいっそう
作品の舞台となった時代の息遣いを身近に感じられるでしょう。
人間肯定については、この物語はあまりにも有名であり、いまさらそれをここでくどくどしく書く必要はない。しかし一言いうならば、迫害され、虐げられた小さな魂がジャン・バルジャンに出会う前、その小さな魂には「愛する機会が与えられていなかった」とはすさまじい洞察であったといえる。愛とはそこにあるものではなく、機会が必要であるとは、私は気づいていなかった。それだけでも、この本は偉大である。
そして神と人間との距離感は、この物語を貫くもうひとつの大きな柱である。孤独ですさんだジャン・バルジャンが、たちなおるきっかけを得たのは神の教えをもたらす者の前であり、ジャン・バルジャンが小さな魂に出会ったのも、神の御手によるものであるとしてある。このような絶対的な神の存在は、我々日本人には理解しがたく、しかしながら物語りの流れが、その存在を私に納得させたことも、ここに告白しなければならないだろう。
今まで気づかなかった多くのものに、気づかせてくれた小説でもある。
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