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ですがこの「レ・ミゼラブル(全訳版)」は、
ある意味で多くの人にとって、
「新しい本」ではないでしょうか?
と言うのも、
恐らく「ああ無情」という、
タイトルで知られる、
「縮約版」の方が、
良く流通しているからです。
皆さんも一度は、
「ジャン・ヴァルジャン」の、
「冒険的活躍」を、
読み、あるいは舞台で、
ご覧になられた事が、
あるのではないでしょうか?
しかし「レ・ミゼラブル」は、
実は「(刊行当時)全7巻」という
(87年に四巻組、再発売)、
圧倒的なまでに、
凄まじい文章量で、
けっして「ジャン・ヴァルジャン」の、
活躍譚ではありません。
人間と時代との、
激しい「組み討ち」、
多くの登場人物が、
それぞれの「組み討ち」を演じ、
いずれもいつかは、
「舞台」から去っていく。
しかしユーゴーはそれを、
「決して瑣事ではない」
と言い切ります。
「なぜなら歴史は、
瑣事の積み重ねでしか、
ないから」と。
細部を省かない「全訳版」は、
ときに詰屈ですが、
しばらく立ち上がれないような、
読後感を与えてくれるでしょう。
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