セルジュ・ゲンズブールの"sea sex and sun"の音楽と共にオープニング。ゲンズブールの曲が出てくるだけで、条件反射的に、死語ではあるがなにか"ハレンチ"な嫌な予感を感じてしまった。が、その予感は的中。
フランス人観光客がコートジボワールの海岸に1週間バカンスにやってきた。その観光客の中で止むことなき色沙汰とどたばた劇を織り交ぜたコメディ映画である。タイトルのBronzes(ブロンゼ)とは"日焼けした人"のこと。シリーズ物でLes Bronzes 3まで出ているらしいのだが、それらは観ていない。今回が初めて。
1978年の映画で、キャスティングがすごい。「仕立て屋の恋」で暗くかわいそうな役を演じたミッシェル・ブラン。この映画の中では一番もてないどじな男の役である。それから、クリスチャン・クラヴィェは上の「Asterix et Obelix」のAsterixの役、今ではフランスコメディには欠かせない役者だ。それから、「Les choriste」の音楽先生役のジェラール・ジュノ。25年前だというのに、今と老け具合が変わっていないのがすごい。肌はつやつやだが。現在では貫禄があり味が出ていて、申し訳ないが、むしろ年をとったほうがいい感じ。そして、二枚目俳優として多くの映画にでているチェリー、レルミット。最近の映画の中では、「Incontrolable」のユーンの彼女役マリオンのお父さん役として出ていた。現在活躍しているフランス人俳優が若いときの映画であり、彼らの若かりし頃を見るだけでも一見の価値あり。
内容には、現代の社会的理解の範囲を超えた"性の解放"がある。当時の若者あるいは社会のデカダンスの反映なのか、またはそれらを風刺してのことなのかはわからないが、とにかく1週間という短い期間で観光客の中でとっかえひっかえやりまくる。この映画を当時、フツーに映画館で上映しているのだから、フランスは恐ろしくもあなどれない国である。いやはや、日本とフランスでの性に対する考え方の違いが生まれるのは当然かもしれないと思わせてくれる。そうはいってもアダルトビデオではないので、セックスシーンはひとつも出てこず、直接的な卑猥さはこれっぽっちもない。
とにかく、こういった性に対する扱いの違いを差し置いてこの映画を観たとすれば、ただのコメディである。要はバックグラウンドにあるものが違うだけのこと。これを気にしなければ、けっこう楽しめたりもする。ただ時代が異なるので、フランス語が正直よくわからんかった。ジョークも時代錯誤か。フランス人にしてみれば、またそこが面白いのかもしれないが、日本人にはおよそ理解不可能。日本語のわかるフランス人に寅さんの「男はつらいよ」を見せるようなものである。