原著は1974年刊(改訂版)ですが、レヴィ=ストロースの主要な業績はそれまでのものなので、古さはありません。むしろ、同時代人について語るさいのヴィヴィッドさがあると思います。説明の手際は抜群に見事で、著者の理系出身ならではのアタマの良さが分かります。
冒頭、レヴィ=ストロースの著作は「原始的分類論」「神話論」「親族組織論」の三角の星に喩えられるといい、それぞれを簡潔に図式化しながら説明するんですが(神話論は「レヴィ=ストロースの振りをしたリーチ」として、わざわざギリシア神話の例を持ち出してレヴィ=ストロース風に分析してみせる、)「社会人類学者」と自ら称するリーチの立場にはレヴィ=ストロースとはっきり違うところがあって、「親族組織論」の部分ははっきり批判しています。
だので、「料理の三角形」の要約は非常に見事ですが、同じ見事さを『親族の基本構造』などの[女性の]交換論の解説に期待することは残念ながら、できません。
また、他のレビュアーさんがいうように、第2解説書とするのが正解かも知れません。いきなり本格的に人類学できるガチンコの解説書ですから。(読後、レヴィ=ストロースの他の本より、リーチの他の仕事をフォローしたくなりました。)