レヴィナスの思想は難解だといわれている。しかも長い。しかしこの『レヴィナスコレクション』は、書評などを含んだ小論を集め編んだものである。バランスがいい。「ある」「時間と他なるもの」「逃走論」などは、レヴィナスの主著を理解する上でとりわけ重要な著作である。これを読むと読まないとでは、後の理解度が全く違ってくる。『全体性と無限』『存在の彼方』を読む前に、是非読んでおきたい一冊である。訳は合田正人である。氏の訳には唖然とさせられることが少なくないが、これに関しては問題ないと思う。また約40頁分の合田氏の解説も興味深いものがある。ありがたい一冊である。