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レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
 
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レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち [単行本]

石井 光太
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,575 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

物乞いが憐れみを誘うべく抱いた赤ん坊は、月日を経て「路上の悪魔」へと変貌を遂げていく。執筆に10年をかけた渾身のノンフィクション。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

石井 光太
1977年東京生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。国内外の文化・歴史、医療などをテーマに執筆。そのほか、テレビドキュメンタリーや写真発表、漫画原作なども手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/05)
  • ISBN-10: 4103054522
  • ISBN-13: 978-4103054528
  • 発売日: 2010/05
  • 商品の寸法: 19.4 x 14 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
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66 人中、58人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Lehman Packer トップ1000レビュアー
形式:単行本
「乞食が来た。まだ子供だ。小銭をあげようか?
 でも、それは彼らのためにならないのでは?
 でも、皆が無視したら子供達は生き残れるのか?」

 インドを旅行された方の多くは、こんな悩みを経験したことがあると思う。彼らは観光名物では決してないのだが、最も心を捉える物の一つである。だが好奇の目を向けるのは憚られ、彼らの生活を知る術は少ない。
 石井氏はその間にある結界を越え、彼らの人生を聞き出した。

 石井氏は2002、04、08年の三度、インドのムンバイに渡った。通訳兼案内役の名はマノージという。彼自身が元浮浪児で物乞いをした経験があり、片目をマフィアに潰されている。石井氏はそんなマノージも知らないどん底に到達するまで粘り強く取材した。

 赤ん坊を抱いた方が女性の乞食は儲かる。そこでマフィアを介したレンタルチャイルドという商売が成り立つ。そら恐ろしい事だが、それはまだ序の口にすぎない。やがて子供達は自分で稼ぐ浮浪児となる。彼らはマフィアに暴力を受け搾取され、稼ぎが足りなければ目を潰され手足を切られて、より稼げるが逃げ出せない障害児として物乞いに出される。この都市伝説のような話を、石井氏はマフィアから直接聞き出す事に成功している。

 搾取するマフィアも障害者や薬物中毒で、他の職を見つけられない貧者であり、元浮浪児であるという事実は正に負の連鎖である。マノージのようにそこから抜け出せるのはむしろ稀で、多くの浮浪児が大人になる前に命を落とす。

 ラジャという利発な浮浪児に、石井氏は思い入れを持ち追い続けた。だが誰よりも苦労を重ね、最も救われるべき者が、最も唾棄すべき存在に変貌したのを見るのは読者でも辛い。しかも彼は依然として地獄を生きているのである。

 本書で石井氏は解決案を示していないし、評者も安易な解決案などないと思う。しかし、解決への第一歩は正確な問題認識のはずだ。
 問題を直視すること。まずはそこが始まりだと思う。
このレビューは参考になりましたか?
86 人中、70人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
読書後は脳天をガツンとやられてボーとしたまま半日以上何も考えられなかった。
何と言えば良いのだろう。何か言わなければならないと思うけどそれが言葉になって出て来ない。それほどすごい本だった。

これまでこの著者の本を二冊読んだことがある。だが、これまでのハードさとは全然違う。
これまでの本はホッとしたりドキッとしたりの連続で一緒に旅しているような気分だったのだが、この「レンタル・チャイルド」はずっと頭に釘を刺されて叩かれているような気持だった。
こんな衝撃が300ページも続く本なんて、もう一生出会えないのではないか。

変なことを言うが、心臓の弱い人が読んだら本気でヤバイと思う。
だが、心臓の強い人や強くなりたいと思っている人は、絶対に読むべきだと思う。それは世界の富を得ている日本人としての義務だと思う。
貧困というものが、どれだけ人間を引き裂くものなのか。人の命がどれだけモロイものなのか。発展が最下層の人たちをどんな運命に導くのか。
この本に書かれているのは、貧困の全てが書かれている。
だからツライ。
ここまで人は必死になって生きなければならないのか。
日本にいては100%経験できないことを、この本はものすごい衝撃とともに教えてくれる。

テレビを見ていると、インドは発展していると言われている。僕もインドに行ったことがあるから、その通りなのを知っている。
けど、一方でまだ大勢の物乞いやストリートチルドレンがいるのも事実だ。発展の裏で彼らがどんなに貧困に苦しんでいるのか。
この本は、現代インドという時代とともに、貧困とは何かを教えてくれる。
読んだ後は、本当にヘトヘトになった。だけど死ぬまでに何度も読むだろう。この本を読み続けることが自分のこれからの挑戦だと思うから。
このレビューは参考になりましたか?
111 人中、86人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By katari
形式:単行本
あまりの失望に初めてレビューを書いてみる。

これは、取材を元にした小説、と見るべきなのだろうか。
帯にははっきりと「執筆に10年をかけた渾身のノンフィクション」と書いてある。
この帯自体がフィクションなんだろうか。

興味深い題材なだけに非常に残念な読後感。
題材は重いが、中身は薄っぺらい。
対象に深い洞察があるわけでもなく、かといって冷徹な客観性に基づく取材というわけでもない。
ディティールの拙さが、全体の話を作り物っぽくさせてしまっているように感じた。

他の方も書かれているが、著者の文章は、下手というより、テーマに対してとても安っぽい。
好みの問題もあるかもしれないが、通訳を介した取材でこのようなドラマチックな会話が成立するはずもなく、
またインド人達のとても日本人臭い語り口に、ただ不自然さを感じてしまう。

廃品回収の女が時計の時間を元に、マフィアの行動を言い当てたり(にもかかわらず物語の後半になると、”路上で生きる者は時間の感覚がないため、正確に何時とは断定できない”と説明したりしている)、
商売をしに来たと言い張る主人公に、マフィアがわざわざ商品が仕入れ値の何倍かを説明してあげたり、
(仕入れ値をばらしてしまうような愚かな者だからこそ、こういった商売に手を染めているということを表現したかったのだろうか…)
主人公がヒンディーを学んだからといって、通訳なしでもその子どもたち相手であれば一人でも言葉に不自由しないと断じたり、
(一体そのムンバイの子ども達は何語を話すのだろう、マラーティ、ヒンディー、英語? 流れてきた子たちなら、他の言葉が母語かもしれない。好意的に解釈すれば、彼らが生きるために汎用語としてヒンディーを学んでおり、拙いヒンディーしか彼らが使えないことを彼が理解し、彼の経験からそのぐらいの言葉であれば理解できると判断したのかもしれないが、それは彼らの母語ではないからでは? その程度で一体彼らの心情の何を理解出来るのか。子ども達の言語表現はコミュニティに属したニュアンスの割合も大きい。どの国へ行っても、子ども達の言葉はネイティブじゃなければ解するのは難しいと思うのだが…)
こういった細かな違和感は枚挙に暇がなく、物語のリアリティを失わせている。

また、主人公が呆れたり、憤ったりする行動にいまいち一貫性がなく、彼自身の半端な行動原理にも共感し難い。
(人間的な反応をするわりには、その反応が表面的で深みもない。そして考えた結論に、まるで重みも説得力もない。
”私はしばらく考え、金を払えば解決できるのではないか、と思った。” とは! さんざん金で取材を進めておいて、今更何を言ってるのかこの主人公は…)

スラムの子ども達も、悲劇の境遇は様々なのに、妙に画一的な性格。
これは本当に出会った子ども達なのだろうか?
いくつかの見聞きした事実をもとに、物語として再構成したというのが、
もっとも説得力のある背景な気がしてならない。

最初からフィクションとして読めば、もう少し印象も違ったのかもしれない。
ただ、フィクションとしてみても悲劇をショーケース化しているだけで、哲学も深みも感じられない。
(著者があえて何も提示せず、読者に考えさせる物語というのとは違う。
ならば明確な対象への距離感と客観性、事実のみを書き記す冷徹さが求められよう)
レビューを見て、厳正なルポタージュのようなものを期待して読んでしまっただけに、大いに失望した。

他のレビューが高評価なので、あえて反対意見として書いておこう。
興味深いテーマで釣って、表面だけの残酷さと陳腐な同情を売り物にする残念な物語。
空しい読後感は、決してムンバイという地の悲劇故ではなく、
悲劇を食い物にしているかのような、軽い文章故だと感じた。
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