去る'08年6月6日、惜しくも銀河の彼方に旅立たれた
『宇宙軍大元帥』野田昌宏閣下が遺された第1短編集。
かつてハヤカワ文庫に収録されていたものの、現在は絶版。
その幻の短編集が東京創元社から、大幅に増補された上で再刊された。
本書に加えられたのは、書籍初収録となる短編『火星を見た尼僧』と、
初期エッセイ集『パノラマ館』。
収録された短編はSFあり、怪談ありでバラエティ豊富。
第2短編集『キャベツ畑でつかまえて』に比べて、
全体的にやや荒削りな印象は否めないが、
文章のテンポのよさも相まって小気味よく読破できる。
特に表題作『レモン月夜の宇宙船』と『火星を見た尼僧』はお薦め。
野田昌宏さんの遺された不滅の業績の数々を偲びつつ、
しみじみ味わいたい一冊である。