五万年前の過去界に迷うクレスト3への密命を帯びて過酷な任務に携わったテラナー達の凄絶な姿を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第139巻。本巻の執筆者は老練な業師シェールと若手の実力者フォルツです。密命艦《ディノ3》の乗員は過去界に到着したが、《クレスト3》が既に惑星ピゲルの時間間転送機で五百年だけ時間移行した事を突き止める。
『五次元からの命令』K.H.シェール著:クレスト3が到達した時代にはレムール帝国は崩壊し凶暴なハルト人が銀河で暴れ回っており、惑星カハロの六角恒星転送機への突入は不可能と判断された。グッキーは前回の作戦中に感じたテレパシーの呼び掛けが気になり、アトランと古代地球に飛ぶ。そしてグッキーを呼ぶ信号を捕えると、それは450年前に《ディノ3》の艦長が設置したメモ送信機だった。艦長は自分達の死後450年後にローダンに新型超光速カルプを届けようと周到に準備していたのだった。『レムリア秘密工作』ウィリアム・フォルツ著:ローダンの次なる作戦は、現在界で過去界へ通じる時の門がある惑星ヴァリオの調査だった。そこはその時点では地球から逃れたレムール人が移り住む植民惑星レムリアで、前回の地球遠征チーム、レッドホース少佐、スルファトらを含む9人が変装し惑星への潜入を敢行する。
アトランは、おのれの任務を静かに故郷から遠く離れたまま果たした男の姿に畏敬の念を覚えます。真の英雄的行為の意味を深く考えながら。故松谷健二氏のあとがきは、学校給食の話題です。小学生の図画の展示会で「給食残すとこうなるぞ」というコメントに金棒を持った鬼が子供を苛めている図柄の絵を見て危惧を覚えられました。ご自身が小食でもあり、皆に遅れまいと無理につめこんでいる生徒に同情されます。給食制度はプラス面の方が多いに違いないが、画一的・統制的な機運が生まれる事は警戒すべきだろうと結ばれています。