野心に燃えた数人の開発者が、スティーブ・ジョブスに黙って新しい操作画面の設計作業を進めたこと。彼らの努力が認められ、フロッピ・ディスクを模していた操作画面が、「デスクトップ」と呼ばれる現代的な画面に差し替わったこと。中心メンバーのビル・アトキンソンが、出勤途中の交通事故で死にかけた時でさえ、周囲にOSの描画ルーチンの話をしていたこと。
これらのエピソードを彩るのが、膨大な図版資料である。「Possible?」、「I vote yes」―。手書きのソフトウエア設計図に残る開発者同士のやりとりからは、チームの高揚した雰囲気が読み取れる。
彼らは「週90時間労働、大好き」と染められたTシャツを作り、それを着て働いたという。1984年当時は、世の中に革命を起こす気概を持って、1つのコンピュータを開発することができた時代だ。本書からは、今のIT業界では忘れられがちな、純粋なものづくりの喜びが伝わってくる。
(日経コンピュータ 2005/10/31 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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