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5つ星のうち 5.0
夫婦とは。, 2009/9/6
レビュー対象商品: レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
この作品が伝えることに何ら答えはなく、観るものの視点により、幾通りにも膨らみ抱く形であり、夫婦間のあり方、家庭の持ち方というもの、強いては人生というところを問うたテーマです。
薄氷を踏むがごとく、地球そのものが薄い層で覆われているがごとく、また生活空間というものが自由であるにもかかわらず、何らかの形で範囲が限られた閉塞空間であるがごとく、拘束された中で生活していることは現実かもしれません。
この映画では、結婚前の夢が家庭を持ったことで、特別な存在を理解しあえるもの同士が、生活条件に則った”平凡”という生活に満足できなくなる、夫は郊外より満員電車で通勤し仕事をこなし、妻は郊外の住まいで家事をこなすといったことにたまらなくなったのです。
もっと輝いてもいいのではないか、もっと夢があっていいのではないか。
そう思うにつれ、夢と現実にギャップができ、ギャップはだんだんと夫婦間に溝をこしらえ、あれだけ愛おしかったのに”マンネリ”にしか思わなくなり、悲劇として返ってくるというストーリーなのです。
この映画の素晴らしいところは、マンネリから脱皮し夢を抱いて心機一転しようとしているところに、様々な事象や事案が発生し、その時点でのこころの葛藤をうまく表現しているところです。
現在では直ぐに離婚しておさらばしてしまうといった逃げがあるのですが、大量生産の高度経済成長時期であった1950年代という設定においては、社会に追いつくためにきもちにゆとりがない反面で、そのジレンマに思い悩むという点で最も表現しやすかったのではないかと思います。
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのコンビですが、二人の呼吸がぴったりと合っており、また、1950年代といった往時にも相応しい容姿を醸し出しており、この映画のコンテンツをよく咀嚼して理解した上での熱演であったと思います。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
人間とはいつの時代も悩み、考え続ける生き物, 2009/9/1
レビュー対象商品: レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
1950年代が舞台だけれども、現代にも共通するテーマを扱った作品。仕事に嫌気がさしている夫。理想の生活を夢見る妻。お互い不満を持ちながら生きている。それでも結婚生活は一喜一憂と続いてゆく。
浮気をして家に帰ってくると妻がバースデイケーキを子供たちと一緒に作って待っていてくれた。パリへの移住を夢見て退職を決意するも会社で重要なポストに抜擢された。人生がうまくいっているのかどうなのかわからない。家では時には怒鳴りあい時には愛し合い。地に足つかず、宙を舞っているかの様な不安定な人生。揺れ動く心情。人生はいつ何が起きるかわからない。
夫婦生活の難しさを感じました。そして同時に人生の意味を追求する夫婦の姿に共感。切なさや悲しさを感じさせます。人間とはいつの時代でも悩み続ける生き物なのだなと、深く感慨にひたりました。
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5つ星のうち 4.0
現実的な幸福に妥協せざるを得ない夫婦の理想と現実の精神の葛藤, 2009/8/28
レビュー対象商品: レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
最近の米画の中でも秀作の一本です。私の好きな映画、
『アメリカン・ビューティ』「風」を期待していましたが、まったく
期待を裏切らない傑作です。デカプリオとウィンスレット、それに
サム・メンデス監督の才能が開花した「見る価値のある」すばらしい作品です。
まず、映画として・・・
・映像が美しい。
特に輝くばかりの陽光に浮かび上がる一軒家は物語の舞台
にふさわしい。また住宅街や室内の雰囲気は空気まで伝わってくる。
ケイトのアップなんか、毛穴まで見えそうなほどの現実感。
・完璧に再現された1955年代。
衣裳をよく見ると、生地も当時のもの。女性の化粧まで完璧に当時のもの。
さらに、通勤風景や衣裳、オフィスのファシリティ、男尊女卑の職場など
が当時そのもので、観客は一気にその時代にタイムトリップできる。
オフィスではタバコは吸うわ、セクハラまがいはするはで、現代とは隔世の
感があります。特に、やたらと喫煙をするので、結構驚きます。
さらに室内の家具、調度品も目を見張る。特に各シーンが、ノーマン・
ロックウェルの絵のような絵画のような構図はすばらしい。感激もの。
さて、映画のテーマですが、これはずばり、「夫婦の生き方」。
なので、多分、それなりに年齢を重ねて、所帯をもっている方々、ご夫婦
には、時代は関係なく、共感するテーマ、共感できないテーマも含めて
感情移入できるものが多いのではないか、と思います。
夫婦や子供、つまり家族の幸福のために買った郊外の一軒家。
その一軒家を舞台に、通勤する夫、家庭に閉じ込められる妻。そのなかで、
夫婦愛には、不倫、夢と現実と新天地へ挑戦することへの恐れと
夫婦のすれ違いなど、さまざまな危機が訪れます。
とはいえ、さまざまなことを考えてしまう、奥の深い作品。
「やりたくないことを生活の向上のためにやって、本当の幸福なのか?」
「夫婦って、どこまで妥協するものなのか?いや、人間は妥協の産物なのか」
「真の決断を迫られたとき、あなたは、新しいチャレンジに飛び込めますか」
「夫を、妻を愛するって、どういう形のものなのか?」
などなど、とめどもつきません。
悲劇で終わる本作品の夫婦愛は、しかし、さらに、その根底にあるものは、
その時代の生きる「規範」、目に見えない両親の教え、社会規則、暗黙の
ルールに縛られて得られる幸福とは、一体、人間にとって、どういう意味
があるのか?時代の中で生きて、愛して、生活して、働いて、楽しんで、
老いて、死んで行く、ということは、一体、どういう意味があるのか?
深読みしすぎかもしれませんが、まさにそれを追求した、時代を
超えた、奥の深いテーマを描いたものだと思います。
この夫婦がお互いに面と向かっては言えない心情のヒダを、
不動産屋夫婦の精神的病をもった息子が、ずばり言いあてて、あたって
いるだけに夫婦は、逆上し、そして、徐々に、お互いの乖離に気がついて
いきます。その描写力が秀逸で圧巻です。