私はレイジの作品の中では、このアルバムが一番気に入っている。
基本的に私は、カヴァー曲というものが好きだ。なぜかと言うと、元ネタのアーティストに対するリスペクトや愛が感じられるからである(そうでないのも稀にあるが…)。で、このアルバムだが、全部カヴァー曲。泣ける。しかも、この選曲、演奏…。最高である。
まず、大物アーティストの曲が多く選ばれている点が嬉しい。ローリングストーンズ、ボブディラン、ブルーススプリングスティーンに始まり、ストゥージズ、MC5、ディーヴォまで。これだけのものが一つのアルバムで味わえるのだから贅沢の極みである。しかも、それらの曲を完全に自分たちのものにしている。
そのことがよく分かるのが、ストーンズの「STREET FIGHTING MAN」。原曲は、どちらかと言うとルーズな曲だったが、このカヴァーは、ものすごいキレである。トム・モレロの大迫力のギタープレイに乗っかるザックの弾丸ラップ。原曲をここまで再構築できるものなのか…圧巻の演奏である。
ちなみに、マンガ『BECK』20巻で、主人公たちがこの曲を演奏するシーンがある。ギタリストが暴走し、ボーカルがラップで応じる。そして観客の一人が、「原曲の跡形もない!」と叫ぶのだが、このシーンは、レイジのこの演奏をヒントに描かれたのではないかと勝手に思っている。(実際、作者はレイジを「奇跡のバンド」と呼んでいる。)
とにかく、レイジの真骨頂が聴ける豪華盤。買って損はないよ。