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レトリック認識 (講談社学術文庫)
 
 

レトリック認識 (講談社学術文庫) [文庫]

佐藤 信夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

発見的思考の世界を拓く新しい言語感覚とは黙説、転喩、逆説、反語、暗示など、言葉のあやの多彩な領域を検討し、レトリックに新しい創造的認識の機能を発見。名著『レトリック感覚』と対をなす注目の書。

内容(「BOOK」データベースより)

古来、心に残る名文句は、特異な表現である場合が多い。思考において論理がすべてではなく、言語も文法だけでは律しきれない。論理と文法の手にあまる言語表現の多彩な機能―黙説、転喩、逆説、反語、暗示など、レトリックのさまざまを具体例によって検討し、独創的な思考のための言語メカニズムの可能性を探る。在来の西欧的レトリック理論の新しい光をあてた『レトリック感覚』に続く注目の書。

登録情報

  • 文庫: 302ページ
  • 出版社: 講談社 (1992/9/4)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406159043X
  • ISBN-13: 978-4061590434
  • 発売日: 1992/9/4
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tigtig
形式:文庫
『レトリック感覚』 の (厳密にではないが) 続編。

古代からの伝統的なレトリック体系が見落としていた、「思いや認識をありのままに表現する(発見的認識の造形)」 というレトリックの役わりに光をあてる……という基本的な態度は前掲書を踏襲しつつ、レトリックの解説とともに、レトリックから 「ことば (言語) 」 の普遍的な性質を探る試み。

「ことばは事実を表現するのではなく、事実に対する私たちの見かたを表現するものだ (p.104)」 ,
「(ことばの意味の) 信頼性が、私たちの認識を保護すると同時に制限してもいる (p.146)」
など、随所に 「ことば」 への鋭い考察が光る。

『レトリック感覚』 では、あるものをあるものに置き換える…比喩的な…認識や表現としてのレトリックが主な内容であったが、本書では、「心の動き」 や 「認識の状態」 を表現する方法としてのレトリックを中心に解説している。

本書で扱っているフィギュール (ことばの <あや>) は、 黙説(中断) ・ ためらい ・ 転喩(測写) ・ 対比 ・ 対義結合と逆説 ・ 諷喩 ・ 反語 ・ 暗示引用。

高度な内容にもかかわらず飽きることなく読めるのは、著者の的確かつ温かい語り口と、解説に使われる例文が 「解説のために作られた例文」 ではなく 「実際の文学作品からの引用」 であるためだろうか。

『レトリック感覚』 を読んでいなくても得るところは大きいと思うが、やはり続編として読むほうが、一層理解が深まるだろう。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tyrol
形式:文庫
『レトリック感覚』よりは堅い印象がありましたが、それでも、ことばのおもしろさを感じることができました。

引用される文章のおもしろさもあって、ことばができる、「有限の単語で無限の表現をする」ことについて、それがどれだけ人の興味関心をひくことができる表現を作ることができるか、それにはどんな表現方法があるのか、わかりやすく書いてあります。

文章(この本)を読んで、文章を知る。

ことばを読んで、言葉を知る。

昔の人は言葉遊びがうまいなどと言われたりしますが、あとがきにあるように、今の人は、やっと言葉に対して関心を持つようになってきたのかもしれません。

私も、その、現代の人間ですが、ことばができる手品、つまりレトリックは、とても奥が深く、いい意味で驚かされる表現に出会うと、わくわくしてきます。

『レトリック感覚』『レトリック認識』を合わせて読んで、わくわく感がさらに増したのでした。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
  p18からp19抜粋

 言語表現がときどき見せる風変わりな姿態は、ある意味では言語表現一般の底にひそむ本質的な仕組みを考察するたよりになるかもしれないのだ。ものごとのいわゆる異常な状態は、常識的な状態の仕組みを分析するためのかっこうの手がかりになるだろう。症状とは、かくされた仕組みを観察し解析するためのてかかりである。無論、ことばのあやを症状と呼ぶのはまちがいではあるが、そこにはある種の類似性がみとめられるはずだ

 p40から抜粋

 伝統的修辞論がその分類と整理に打ち込んでいたことばのあやーフィギュ-ルーのさまざまの型は、<技法>であるよりもむしろ<問題>としてうけとられるべきものだったのに。言語表現のための百項目を超える技法の型は、じつは、別の視角から眺めなおしてみれば、言語的認識についての百項目を越える問題の型だった。言語にとって、便利さよりむしろ悩みの形式だったのである・・・。が、問題を感じようとしない精神には、問題は姿をあらわさない。ただ潜航するだけである。

この部分と元オウム信者の森岡正博氏の「無痛文明論」からひきこもりを私はイメージしてしまいます。

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