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レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)
 
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レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫) [文庫]

高村 薫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。―カオスに渦巻く男たちの思念。

登録情報

  • 文庫: 574ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/03)
  • ISBN-10: 4101347174
  • ISBN-13: 978-4101347172
  • 発売日: 2010/03
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
わずかな隙間 2010/4/10
形式:文庫
上巻では、犯行に及ぶまでの犯人たちの心情や歴史が描かれていたが、中巻では振り回される被害者と警察とネタを追う新聞記者が描かれ、上巻でよく知るようになった(つもりの)犯人たちは影しか見えない。
行き詰る捜査がもどかしいやら、自分だけは知ってる犯人にたいしてあれこれ思うやらで読みながらも忙しいのだが、しかしなんといっても中巻の読みどころは、城山(誘拐された社長)と合田(警護という名目で社長に張り付く刑事)の仕事振りであろう。
自社を守るため警察に黙って犯人と取引しようとする城山と、警察官として犯人をつきとめたい一心の合田。
企業の利益と、犯人逮捕。
どちらも公人としての任務を全うするため譲れないわけだが、そんな二人にもごくたまに私人となる瞬間があり、普段は抑えなければならないお互いを助けたいと言う気持ちが溢れ、そのわずかな隙間に胸を打たれる。
最初から隙間があって、みんなが善人だったならばきっと感動はないんだろうな。
隙間がないからといって諦めず、自らの努力で隙間を作っていくところに、人としての尊厳があり、感動があるのだろうな、などと思った。
果たして、仕事上自分はどうか?
全てのサラリーマンに捧げる名作。
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形式:文庫
中巻の主人公は、城山社長である。
彼と合田の関係を中心に展開されるのだが、
LJを一編の小説ではなく、文学の域にまで高めているのが、
この中巻部分であろう。
「息詰まる」という言葉がぴったりだと思う。
ほかの方も書かれているが、
私などの中年職業人は、わが身を省みて、
考えることが一杯ある。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By uddy
形式:文庫
トップ企業の社長誘拐をするとどうなるのか?
会社への影響、業界内の反応、株価、報道、警察、風評、等々これでもかというくらい、丁寧に描写がされ、まるで現実に事件が起きたかのように錯覚させられる。
中巻における中心は渦中の城山社長だと思う。改稿前より、城山の描写が大変増えており、公人と私人の懊悩が物語を奥行きあるものにする。脅迫されて、何を考え、どう行動するのか?その一つ一つに苦悩と逡巡が移ろう。長年勤めてきたはずの組織なのに、組織ゆえの不合理さに埋もれてしまうが、城山はそのような重圧のもと時として個人として人間として信念の行動に出る。
合田雄一郎も同じく警察という巨大な組織の中で、どうしようもない論理に押しつぶされそうになる。それでも彼に魅力を感じるのは、長いものに巻かれるわけでもなく、苦悩しつつも自分で考え行動するからだと思う。
合田と城山双方は立場上決してお互いの本心を明かすこともなく、互いに疑念を抱きつつ相手を観察する。それでも双方が個人として振舞う時、心が一瞬でも通じるかどうかという場面がくるのは組織の中での息苦しさと、それでも自我を持つ個人のせめぎあいの絶妙な瞬間である。
二人が今の立場から完全にフリーになって、とことん話し合う機会があればなと思わずにはおれない。
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