中世のフランス。
こそ泥のフィリップ(M・ブロデリック)は邪悪な司祭の呪いで昼は鷹の姿に変えられる美女、イザボー(M・ファイファー)と彼女の恋人で夜になると狼へと変身する謎の黒騎士ナバール(R・ハウアー)と関わることになります。
愛し合う二人が人の姿で出会えるのは日の出と日没の一瞬だけで触れ合うことも叶いません。
フィリップはどうにかして二人にかけられた呪いを解く方法を探すのですが・・・。
監督のリチャード・ドナーにとっては「オーメン」と「スーパーマン」という大作を成功させた後ということで「職人監督」として最も脂がのって来たころの作品となります。
先の2本のような大作ではなく、派手さにも欠けますがちゃんと娯楽作としてツボを押さえています。
その上でファンタジーとしても不思議な味わいがあって、実はファンの多い作品だったりします。
マシュー・ブロデリック、ルトガー・ハウアーそしてミシェル・ファイファーという組み合わせはいまいちピンときませんが、いずれにも十分な見せ場が用意されております。
ポイントは2つ。まず、なんといってもファイファー嬢の美しさ。本格的に注目されるのは本作の数年後ですが実に麗しいです。
もう一つはハウアー氏のカリスマ性。孤高の黒騎士役はまさにピッタリ。
が、実はこの騎士役、本来はカート・ラッセルが演じるはずだったそうでハウアー氏には邪悪な司祭の衛士の隊長役がオファーされていたそうです。
ところが撮影開始の直前にラッセル氏が降板、急遽このナバール役が回ってきたということです。
おそらく「今の」感覚から言えば地味な作品と言えるのかも知れません。
派手なアクションもスペクタクルもありません。
しかしファンタジーとしてきっちりと定石を踏まえた物語が組まれていて主役陣の好演もあって自然と物語に引き込まれてゆきます。
その結果、クライマックスは意外なほどエモーショナルに盛り上げてくれます。
こういう「映画らしい」作品が最近ないなぁ・・・。
未見の方には自信を持ってお勧めします。