中世のフランス。
こそ泥のフィリップ(M・ブロデリック)は邪悪な司祭の呪いで昼は鷹の姿に変えられる美女、イザボー(M・ファイファー)と彼女の恋人で夜になると狼へと変身する謎の黒騎士ナバール(R・ハウアー)と関わることになります。
愛し合う二人が人の姿で出会えるのは日の出と日没の一瞬だけで触れ合うことも叶いません。
フィリップはどうにかして二人にかけられた呪いを解く方法を探すのですが・・・。
監督のリチャード・ドナーにとっては「オーメン」と「スーパーマン」という大作を成功させた後ということで「職人監督」として最も脂がのって来たころの作品となります。
先の2本のような大作ではなく、地味な印象ではありますが、ちゃんと娯楽作としてツボを押さえています。
その上でファンタジーとしての味わいがしっかりとあって、実はファンの多い作品だったりします。
マシュー・ブロデリック、ルトガー・ハウアーそしてミシェル・ファイファー、いずれにも十分な見せ場が用意されております。
ポイントは2つ。まず、なんといってもファイファー嬢の美しさ。本格的に注目されるのは本作の数年後ですが実に見目麗しいです。
そしてもう一つはハウアー氏のカリスマ性。孤高の黒騎士役はまさにピッタリ。
が、実はこの騎士役、本来はカート・ラッセルが演じるはずだったそうでハウアー氏には邪悪な司祭の衛士の隊長役がオファーされていたそうです。
ところが撮影開始の直前にラッセル氏が降板、結果として急遽このナバール役が回ってきたそうです。
おそらく「今の」感覚から言えば地味な作品と言えるのかも知れません。
1985年の作品ですから既に20年以上昔の作品という事になります。
派手なアクションもスペクタクルもありませんし、CGを駆使した変身シーンがあるわけでもありません。
しかしファンタジーとしてきっちりと定石を踏まえた物語が組まれていて主役陣の好演もあって「物語」に引き込まれてゆきます。
加えて名手ビットリオ・ストラーロのカメラワークのおかげでグレード感もあります。
その結果、クライマックスは意外なほどエモーショナルに盛り上げてくれます。
こういうのが本当の意味で「映画らしい」と言うのだと思うんだけど・・・。
未見の方には自信を持ってお勧めします。