ノンフィクションのように異常に執拗な書き込みで、好き嫌いがはっきり分かれそうだが、私は嫌い派。特に前半の異常に執拗な人間関係の描写は、あまりにも鬱陶しい。バラードの真似にしては、人間が描けていないし。しかも癖の強い人物ばかりで感情移入不能。後半は多少持ち直すが。火星の社会、生態の書き込みぶりは凄いと思うが、文系作家が勉強しました的でさほど深みはない。ストーリー展開も型にはまってる。今までにないタイプの作品でユニークな力作であることは認めるが、好きか嫌いかときかれれば、嫌いですと答えるしかない。それと、訳文がひどい。会話文の最後が「・・・っ」で終わるのが多いのにはほんとうに腹が立った。訳者は漫画の読み過ぎ? 信じられないセンス。「チンする」なんていう俗語(いつ死語になるか分からない。もう死語じゃねえの? 最近聞かないよなあ)を平気で使う語感痴ぶり。許せません。「グリーン」「ブルー」は訳者をかえて欲しい。
続編の「グリーン」は原書で読んだけど、もっと面白かったよ。火星都市の描写が素晴らしい。ただしストーリー展開は、相変わらず陳腐で単調だったけど。