YOU TUBEで散々予告やら舞台裏風景やら観ていて早く見たいと思っていたが、予想以上によかった。
単なるB級アクションのレベルをちょっと(ほんのね)超えた演出にしばしば感心させられる。
テロの発生の原因を手早く簡潔に説明する冒頭からドルフ・ラングレンの「やる気」が感じられ、
前座のドラマーである彼演じる「ジョー」がマスコミに軽く扱われるさまなど、単に手堅くやろうと
いうだけの人間には演出できない。
登場人物の背景の説明もなかなかで巧みに伏線を張りながら進んでゆくやり方もなかなかちゃんとしている。
もっと力技な演出を予想していたが、クライマックスであえて「一部音を抜く」というこの手の映画にしては
大胆な演出もやってのける。ラングレン自身のドラムもなかなかで、彼の多芸が生きた映画といっていいだろう。
ただ映画の政治的内容に関しては疑問を持つ人も多いかもしれない。
完全に親ロシア的で、「ロシア大統領の大暴れ」の部分は破天荒なプーチン首相を思わせる(第一そっくりだし)
だけに、ああまでしてロシアをヨイショするさまはどんなもんだろうと思うが、ラングレンのロシアへの
視点はいつもこうなので、「そういう考えもある」としなければならないのだろう。ちなみに彼のもう一つの
監督作の「ザ・リベンジャー」でもロシアが登場する。
初めと終わりを除いて製作会社のヌー・イメージのスタジオがあるブルガリアはソフィアで撮影。
低予算だが、決して見劣りしない堂々たる作品だ。