「わたしだけがやる気ない」「わたしだけがついてない」「わたしだけが悩んでる」
この本は、そんな「わたしだけ…病」にかかっている人におすすめしたい一冊である。
最近よく耳にする「心の病気」。日本では、最近、社会の中で「自分」や「希望」を見失い、「孤独」や「絶望」を感じてしまう大人が多いと言う。どうあがいても抜けられない、<底なし沼>にはまってしまうのだ。実は、私自身「わたしだけが何もうまくいかない」と思いがちの、「わたしだけ…病」の患者であった。
物語の主人公は子ども。原文は英語。いつもと同じ朝、主人公は目を覚ます。何もすることがない、やってもうまくいかない。そして、挙句の果てに部屋に帰ると……。
「孤独」や「絶望」は、大人だけが、日本人だけが味わうものではない。そして、「わたしだけ」を襲うものではないのだ。
シンプルな言葉は真っ直ぐ浸透する。対照的に、象徴的で複雑な画面は、ショーン・タン独特の想像世界へ読者を導く。
「希望まで360秒」。このサブタイトルの意味は、最後のページにたどり着いたとき分かるだろう。あなたはきっと「わたしだけ…病」の<底なし沼>から「あなただけ…」の<出口>を見つけるに違いない。