遅れてきた新人であった東陽片岡も、もはやベテランであって、一連の風俗ものも、こなれた芸を見るかのごとくですが、この一作は「スナック」という「風俗」の一面に身銭を投じて来ただけのことはある、蓄積を感じる力作。(力作にしてはめちゃめちゃ力が抜けていますが)
題名通り、どの町にもある小さなおスナックを題材にした実体験も混ざってるらしい、ルポルタージュの味を持った連作です。
またカラオケがおスナックといかに不可分のものであるかも描き出しております。
これまた自身のムード歌謡への打ち込みようが反映していてカラオケ、ムード歌謡の世界にはまりこむ感がたみゃりません。
添えられた著者その他の手になると思われるおスナックを取り巻くスナップ写真が実にゆるい。
もはや東陽片岡はおスナック界の吉行淳之介と言っても過言ではないと。
何か時代離れしているようでもあり、逆に時代のようなものが見えてくるのです。
おスナックとは何かを知らない人もすっかり行きつけのような気分になることでしょう。