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5つ星のうち 5.0
プロフェッショナル魂, 2010/7/31
レビュー対象商品: レスラー スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
八百長だ見世物だと卑下されるプロレスではあるが、 観客を楽しませるという部分において、彼らは文句なくプロである。 今作の主人公ランディも、年老いて身体はガタガタになりながらも、 相手の攻撃を受けきるという職人の気質は失っていない。 かつてのスター選手でありながら、身体を医療用ホッチキスでとめられるという攻撃すら承諾する。 目の前で自分の息子ぐらい歳のレスラーが、今の自分では絶対にできないようなアクロバチックな技を展開する。 しかし、そんな若手レスラーも、ランディをプロ中のプロと認めるているからこそ、絶対に尊敬を忘れない。 それは、今も応援してくれる数少ないファンも同じである。 どんなに落ちぶれてようと、どんな場末の会場だろうと、 彼はお金を払って観に来た客を沸かせられる一流のレスラーだ。 ラスト、「もうそのへんにして3カウントしろ」と相手選手に言われるランディだが、 今にも心臓が止まりそうにもかかわらず、彼は観客の望む決め技を選択する。 金銭的にも結婚生活にも失敗し、身も心もボロボロのランディだが、 プロフェッショナルレスラーとして選択した最後のダイブはあまりにも美しい。。。 ミッキー・ロークうんぬんは他の方がたくさん評されているので、譲るが、 一見胡散臭いと言われる「レスラー」という職業を見事に物語にしたスタッフに敬意を表したい。 プロレスにはたとえスター選手であっても、他のスポーツのように指導者で残る道や安定した老後なんてありはしない。 そんなレスラーのたどる行く末を描いたサイン会の描写もうまい。 あのダイビングのあとは映画を観た人に委ねるのもいい。 僕は、切れて辞めちゃったけど、けっこう板についてた接客業で成功し、娘とも和解したと想像している。 悲しい、惨めと評する人が多いが、僕はさわやかな感動を与えてもらった。
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5つ星のうち 5.0
ミッキー・ロークは、演じていない。そこに「生きて」いる。, 2010/10/20
レビュー対象商品: レスラー スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
不器用なまでに「自分の生き場所」を求めた男の物語。 80年代に一世を風靡したが、今は落ち目のレスラー、 ランディ・ラム(ミッキー・ローク)。 スーパーでバイトをしながら、ファイト。 そろそろ引退を視野に入れざるを得ない境遇である。 音信不通だった一人娘とやり直したいが、やっと取り付けたデート で何をプレゼントしていいかわからない。 ラムが入れ込んでいる、ややピークを過ぎたストリッパー(マリサ・トメイ) にPコート選んでもらい、当日に臨むが、父娘ともどうもギコチない・・。 場面が流れて、父と砂浜を歩く娘の上着は、いつの間にか、「もらった Pコート」に変っている。 昔行ったお化け屋敷跡の廃墟に、こっそり二人で乗り込む。 鍵のかかったドアを、レスラーの父親でなく、ニッコリ笑った娘が 蹴破る。笑 見事な邂逅推移の心理描写である。 基本的にBGMはLAメタルを使用している。 「ハリケーン」とか、「モトリー・クルー」みたいなのがかかる。 愛を囁く場面は、ラットの「ラウンド&ラウンド(!)」。笑 娘役のエヴァン・レイチェルウッドもイイが、なんと言っても ストリッパー役のマリサ・トメイがイイ。 「何を考えているか」が、セリフなしで、表情だけで、 手に取るように伝わってくる。 決して軽薄な作品ではない。男の人生を丁寧に、正面から見据えて 撮っている。「ラストの余韻」が深い。 ミッキー・ロークは、演じていない。 そこに「生きて」いる。
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5つ星のうち 5.0
ダメな大人っぷりに本当に胸が痛いや, 2010/8/6
レビュー対象商品: レスラー スペシャル・エディション [DVD] (DVD)
主演のミッキー・ロークの一時の人気っぷり、色男っぷりと、その後のやらかしてダメになったっぷりが主人公とダブりすぎてはまりすぎ。 自分がアメプロ好きというのもあるんですが、俳優のプライベートタイムと銀幕の中の世界、プロレスラーの控室から自宅へと傷んだ体ひきずる時間とリングの中の栄光のショウタイム、その落差がシンクロしすぎて絶妙でした。 医師の指導もなく勝手に飲む痛み止めに抗生物質、ホルモン剤、でもそれがないと体がもたない。そしてついに心臓にクる。そのあたりで、こっちの胸もクッと痛くなりました。引退寸前のランディをあくまでリスペクトする若いレスラーや観客たち。他にも書いてるかたがいますが、大体こういうときは老体をバカにする生意気なやつが居るものだけど、それが無いのがパターン化を消していて良いです。 主人公のランディは確かに栄光に酔いすぎて家庭も自身の体をもダメにしたクズ野郎ですが、さらに病を得て娘に(割と素直に、意地もはらずに)内情を吐露するところもまたダメでイイ。そしてせっかく仲直りできそうだったところでまたとんでもないポカをやらかしちまうところも…!このダメ野郎… 幸せの残りかすをなんとかかき集めようとして、握りしめすぎてつぶしてしまう、不器用ここに極まれり。試合の打ち合わせ(八百長じゃないよ。本気で闘ったらただの殺し合い)をしながら、「小器用なのは他の奴らにまかせとけ、俺たちは力でやるだけ」そのものの人生。 ストリッパーの姐さんや娘さんがラストファイトでリングサイドで暖かく応援なんか「しない」、突き放した哀しさが、一本筋が通ってた。エンディング曲を聴きながら、涙よりも他の何かがじわじわきます。 ラスト後の想像は、各自におまかせ。それもいいよね。
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