この本をご購入になった方の多くがご存知と思われますが、本書は「レジデント初期研修用資料」http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ で健筆をふるっておられるmedtoolz先生の「初期研修用資料」が書籍の形になったものです。同サイトで、内科診療に限らず幅広いトピックについて、独自の切り口での「考え方」を披露しておられますが、本書ではその「考え方」を「医療資源の限られた場所で、知識・技量が十分でない初期研修医が内科診療(当直)をどのように切り抜けるか」という設問に「適用」しています。
眼を引くのはやはり、独特のフォーマットでまとめられた「チャート」と「わからなかったら」の部分で、特に「わからなかったら」の部分に著者の思想が込められている(と同時に、自分ならこう表現してみたい、との考えを誘う)と思います。すべての問題を「正解」することではなく、「わからなかったらとりあえず○○しておこう」という発想は、臨床医にはなじみ深いもので、「時間を味方につけた」診療と言えます。
残念ながら誤記・誤植が少なからず眼につきますが、著者自身のサイトで適宜修正(例:http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/date/2010/04/09)がなされるようです。
単純な誤記・誤植に限らず、内容に踏み込んだ指摘も受け付けておられる(Twitter上で @medtoolz 宛につぶやくと、ご本人が「気合いで拾う」との事)ようですので、書籍を一つの結節点として、より良い「ハンドブック」作りに参画してみる、というのも「内科診療マニュアル 2.0」的で面白いかもしれません。