冒険活劇、なんてのを期待しないでください。
折角の作品が期待はずれで失望してしまいます。
一言で言えば、恐がり屋の女の子がちょっとした試練を乗り越えて一歩大人になるお話です。
確かに、女の子と言っても王女様、ちょっとした試練と言っても世界が闇に包まれてしまうという大変な事態ではあります。
ですが、世界の破滅とかそんな大きな視点で見てはいけません。
この物語が、健康の優れないお父さんを何とか直そうと思うごく普通の子供の気持ちで描かれているからです。
女の子が知恵を借りるのは、もう山の一部になった代々の王様。
その「知恵者」の言うことといったら、「お金で病気が治るらしい」。
「お金があれば病気が治る」という人間の言葉を聞きかじってこんな知恵を子供に授けるのです。
これが元になって災いが生じるのですが、それは人類対妖精、或いは青の妖精対赤の妖精、といったような争いではありません。
赤の妖精が、農場主の機嫌を取ろうとして銀の砂を奪っても、また人間がやってきても、青の妖精はなすすべを知りません。戦いなんか知らないのです。
中にはよこしまな妖精も出てきます。でもこれも単に欲張りで自分の事しか考えないというだけのことです。
農場主が山にやってくるのも、結婚の為に用意した大切な指輪を取り返そうと必死になるだけです。
ですから設定は世界の危機、というようなものですが、実際の出来事はローカルなものです。
ですからごく日常的な気持ちで、主人公の女の子の目線で物語を楽しんでください。
そうすればこの映画が、愛すべき滋味ある、一度見てもう一度見たくなるような作品であることが納得出来るでしょう。
言葉が普段聞き慣れないのも、子供達がとても子供らしくて可愛らしいのも楽しみの一つです。