タイトルに反し、レオニーの息子であるイサム・ノグチを強く意識した作りになっています。石を削る老成したイサムの姿が何度となくカットインしてくるし。そのせいもあるのか、レオニーの描写に唐突さが否めません。妙に時系列が飛ばされる部分があったり、彼女の意図が読めない行動。不明朗な修羅場後の夫であるヨネ・ノグチとの関わり。まして、成長した娘との肝心なお話なんか解決どころか進展さえしない。
むしろ「レオニーとイサム」ということでにして,二つの祖国に翻弄される母子の生き様にもっと焦点当てたらよかったかも。
津田梅子や、レオニーのよき相談相手で、小泉八雲の妻セツなど、新しい時代を懸命に生きる女性の姿もあります。しかし、それらの描写も不十分。ヒロインが生きた時代と場所は、女性にとって非常に価値観が複雑だったことが想像できますが...。
日本に来て5年経っても日本語を覚えない。突然別の男の子供を身ごもり、女の子を出産。父親はずっと娘に教えず。幼いイサムを米国にひとりで行かせたが、戦争のため学校が閉鎖してイサムはひとりぼっち。彼の消息は不明だったが、戦争が終わってから通っていた学校経営者にイサムが世話になっていると知ると、そのまま放置。時がたってイサムが大人になるとやっと親子再会。一旦は、医者を目指していた彼に、むりやり(?)アートへの道を示唆する。
とても勇敢な母親だ!と言ってしまうのもなんだかなぁと思ってしまうのですよ。
名撮影監督・永田鉄男による美しい映像は素晴らしかったです。