レイトン・コートの主人スタンワース氏が、書斎で、自身が手にした
リボルバーによって額を撃ち抜かれて死んでいるのが発見された。
現場は密室状況、銃を持つ手に不自然な点はなく、遺書まで発見されたことで、
警察の見解は自殺に傾いた。しかし、死体の不可解な状態や滞在客の不審な
行動に目をとめた作家のロジャー・シェリンガムは、自殺説に疑問を覚え、友人
のアレックをワトスン役に指名し、独自の捜査に乗り出していく。
果たしてシェリンガムは、自殺説を覆すことができるのか……?
超人的な名探偵ではなく、ときには間違いを犯す等身大(いささか悪ノリ気味
ではありますがw)の探偵役ロジャー・シェリンガムの記念すべきデビュー作。
後の作品にみられる、作者の、人を食ったような底意地の悪さは希薄で、
明るくスラップスティックなコージー風の雰囲気は、万人受けしそうです。
とはいえ、バークリーの曲者ぶりを窺わせる萌芽は随所に見られ、思わず
ニヤリとさせられます(シェリンガムが、的外れの手がかりに囚われ、決定
的な手がかりを 見過ごして迷走するところや、何といっても、当時としては
画期的な《意外な犯人》をいちはやく導入していたことには驚かされました)。