長年、レアメタル・ビジネスを専門にしてきた著者の言葉、および本書で扱うデータは、ひとつひとつ経験と事実に裏付けられた重さを持つ。著者は、レアメタルという鉱物を見つめることで、実は、世界の動向を見つめているのだろう。
「国家規模での探鉱・備蓄・代替材料、及びリサイクルの必要性」という著者の提言は、日本の安全保障と世界の今後を考えても、重要だろう。
だがしかし、最も心を打ったのは本書の終盤。「環境破壊商人」と呼ばれる要素があるレアメタル・ビジネスだからこそ、「資源開発と環境保全との調和と共生」が必要だと著者は繰り返し説いているのだ。
既存の、資源を買い漁るだけの「バブル型儲けビジネス」ではなく、地球環境の視点をも備えた著者の姿勢・思想に、ひさしぶりで日本の産業界に登場した、世界に誇れる「本物のリーダーシップ」を見ることができた。