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興味深いのは、2030年から53年における「通信」「病院」「警察」などの社会設定を、アニメ雑誌やインターネットを使って一般読者から公募した点だ。作品中の「形状記憶植毛」や「伝書鳩」などは読者のアイデアが採用されたものだ。巧緻なプロットとロジックを縦横に操り、読者を魅了してきた京極は、ついに読み手をも作品世界に巻き込んで壮大な「仕掛け」を完成させた。20世紀末を生きる人々の心の内を映しだした近未来の姿は、20世紀末という時代が抱え込んだ命題をより鮮明に浮き上がらせるための「大仕掛け」だ。
また、フランス語で「狼憑き」を意味する表題に象徴されるように、妖怪や化物との関連が見て取れる点もファンにはうれしい。フランスでは、1764年に14~15歳の少女が狼と思しきけものに惨殺されたのを機に、3年間で80人の子どもと女性が殺されるという「ジェヴォーダンのベート」という事件が伝説化している。中世ヨーロッパの狼伝説をよみがえらせ、あえて近未来へと舞台を移し変えた京極は、危険にさらされている現代の子どもたちへ警鐘を鳴らしているのかもしれない。(中島正敏) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
未来にいっても京極は京極。,
By
レビュー対象商品: ルー=ガルー ― 忌避すべき狼 (単行本)
京極堂シリーズをある程度読めたので読んでみました。舞台が未来になっても京極は京極でした。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
苦手な人は苦手ですが…,
By カスタマー
レビュー対象商品: ルー=ガルー ― 忌避すべき狼 (単行本)
京極堂シリーズから一気にテーマを変えた京極夏彦の作品近未来SF小説 最後まで読めない人だと解らないですが 場面が次々と変わっていく中で、徐々に明らかになっていくと思ったら 一発のどんでん返しを受けて驚愕した。 流石、京極夏彦氏だと思った。 事件をきっかけにリアルな世界に飛び出していく葉月らがいい。 後半からのアクションなどとても良かった。 ただし、この小説はかなり分厚い、そして押し絵一つもない。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
面白い!!!,
By
レビュー対象商品: ルー=ガルー ― 忌避すべき狼 (単行本)
これは面白いです。読み終わるまでが長いですが、後半は時間を忘れて夢中になりました。 少し残念なのが最後の戦闘シーンくらいでしょうか。 「リアルな死」がまるでゲーム感覚で繰り広げられていくのに少し違和感がありました。 それ以外は謎と興奮の連続です。さすが京極さんですね。 これを読んで色々と価値観について考えが変わりました。 今まで当たり前に感じていた事が、どれだけアンバランスな価値観だったかを気付かせられました。
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