本書の雰囲気は他のふたつのレヴューでお分かりになると思います。日本語で出版されているルーマン理論の概説書は現在の所これ以外に見当たりません。そういう意味で十分星5つの価値があると思います。
一方で、これは純粋な意味での入門書ではない気がするのです。例えば下のウッチマーさんのレヴューで見落とすべきでないのは、ウッチマーさんは本書より先にルーマン自身の手による本に当たっておられます。そのうえでこの本の価値を認めておられるのです。その点で私も全く同感です。
つまり、この本は何も知らないルーマン初学者が手を出すべき本なのではなく、ルーマンという本丸(pppさんが挙げておられる様な本)を攻め、そして攻めあぐねている方(ドイツ人にすら難解だと言われる思考ですし)こそがちらりと参考にすべき書なのだと思います。繰り返しになりますが、そういった意味では他に類をみないほどの名著・必読書です。