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ルーマニア・マンホール生活者たちの記録 (中公文庫)
 
 

ルーマニア・マンホール生活者たちの記録 (中公文庫) [文庫]

早坂 隆
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

EUは東欧に拡大を続けているが、その一方で貧富の差が広がるばかり。ルーマニアのブカレストのホームレスたちのマンホール内生活に潜入し、地下での暮らしを詳述したドキュメンタリー。欧州最底辺を探り、21世紀欧州の実情を赤裸々に暴く。
鎌田慧氏推薦。


--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

チャウシェスク体制崩壊後のルーマニアでは、ストリートチルドレンの一部がマンホールでの生活を強いられていた。著者はマンホールに単身乗り込み、シンナーを吸ったり、結婚し、子どもまでつくっている生活の様子を取材した。弱者どうしのいがみあい、彼らをさらに追い立てる社会の非情さなどを浮き彫りにした傑作ルポルタージュ。

登録情報

  • 文庫: 252ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2008/01)
  • ISBN-10: 4122049644
  • ISBN-13: 978-4122049642
  • 発売日: 2008/01
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
世界には貧困にあえぐ人がたくさんいて、住むべき家を持たない人もたくさんいて、そういった事実は自分なりに認識しているつもりだった。タイトルで既に「ルーマニアにはマンホールで暮らす人たちがいるらしい」ということは分かるけれど、実際本書を読んでみると読む前の想像をはるかに超えた現実を突きつけられる。

10年もの間、暗くて汚れたマンホールで暮らすのはどんな風だろう。そしてこれから先もそんな人生を生きていかなければならないとしたら?想像するのも上手くいかないような暮らしが、この世界に実際にある。彼らがほんの時折著者にみせる、年齢に相応しい屈託のなさや力強さがキラキラとして見える分、現状に抗う力を失っている普段の様子は彼らの体に残る傷のように痛々しく哀しい。

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17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 山路
形式:単行本
 ルーマニアの首都ブカレストのマンホールに住む子供たちの姿を1年以上に渡って取材したルポルタージュ。著者はこの取材のためにルーマニアに移住し、ルーマニア語を身に付けたという。
 実際にマンホールに潜り、著者は子供たちと関係を築いていく。通訳なしでのルーマニア語による取材だったから、子供たちが心を開いてくれるようになる。その過程が瑞々しい文章で描かれていて感動的である。
 特筆すべきはその取材力だけではなく、その卓越した表現力である。新聞記事のような平たい文章が多い海外ルポものの氾濫の中で、この作品はまるで一流の小説家が描いたような豊富な語彙と名文によって生き生きと綴られている。
 近年の海外ルポ群の中において、この作品が名作であることを私は疑わない。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「ルーマニア」といわれても、知っていることは、ほとんどない。
東欧の国、チャウシェスクによる独裁があった国、たしか、吸血鬼ドラキュラの国。
その程度しか浮かばない。

著者の早坂隆氏は、2001年から約2年間、ルーマニアに滞在し、現地の言葉を習得しつつ、マンホールの下に暮らす住人たちを取材した。

マンホールの下を住居にしていたのは、チャウシェスク政権が崩壊した後、街中に現れたストリートチルドレンたちだ。

親に捨てられた孤児。
捨てられてはいないが生活苦のため家族を離れて暮らし始めた子ども。
人種差別や虐待を理由に、孤児院から逃走した子ども。

彼らは、物乞いや、廃品回収、ときには万引き、スリ、引ったくりなどで、生計を立てている。シンナーやタバコが嗜好品になっている。

日本に日本人として生まれ、育った人間と、ルーマニアの貧困層に生まれて育った人間との間には、どうにも埋められない溝のようなものがある。

しかし、この本を読むと、早坂氏がその距離を埋めようと努めたことが分かる。
日本人とルーマニア人との間に距離はあるが、早坂氏は彼らと「同じ人間」として心を通わすことができた瞬間があったのではないかと感じる。

マンホール生活の模様は、丁寧に記載され、臨場感があふれる。
子どもたちがマンホール生活を始めた経緯や、彼らの家族のことを細かく聞き出している。
相手が子どもでも、正面から、厳しい質問をすることもある。
子どもたち、それぞれの言動から感じたことも、正直に書いている。

私にとって、とても遠かったルーマニアだが、この本で少し近くなった気がする。
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