繊細でかつ強靱、シンプルでいて大胆な作品を残した彼女の生い立ちと、降り掛かる幾多の困難を、作品と共に細かく書いた本です。その出来事こそが彼女の作風を生み出させたのだと、納得させるものがあります。
それ以上に彼女の作品の作業行程まで細かく(例えば、どういった道具でどのように模様を彫ったかとか、何度で焼いたとか)書かれていて、(こんな事書いていいのかなあ)と一瞬思ったのですが、たとえ誰かが同じようにやってみたところで、まねできるはずがないと、気がつきました。彼女が元々持っている絶妙なセンスと卓越した技術、そして経験や人生が一体となって、あれらの作品が生まれたのだと解りました。
『私は陶芸家であり、私の作品は何も意味を持たない。』という彼女の言葉を見つけた時、私自身苦しんでいた呪縛から解き放たれた気がしました。