先日のある雑誌に、派遣社員が製造の中心になっている国内工場で作られたキヤノンのカメラに故障が増えてきている一方で、タイに主力工場を移したニコンの一眼レフの品質は高くほとんど故障が見られないと言うような記事をみた。
本書は、進む非正規社員化の中で日本の雇用の現場に起こりつつある数々のゆがみを、現地を歩いて取材をした記録である。
それにしても、製造現場だけではなく、公務員や教員にまで進む非正規化のなかで、多くの問題点が噴出していることに危機感を強く感じる。
非正規社員の雇用の不安定さ。一方で正社員に進む過重労働。改善提案は黙殺され、提供される商品やサービスの品質は低下していく。
バブル崩壊後に日本が進めてきた改革とはいったい何だったのだろうかと考えさせられる。
このような中で、日本が進むべき道としてしっかりと雇用のセーフティネットが築かれ、これが解雇も再就職も容易な社会ができているデンマークの取材があげられている。
進む財政悪化の中で、支出の削減と声高に叫んできたツケはあまりに大きい。