ともすれば大手新聞社の記者のルポだと、周囲に配慮された間接的な表現であったり、
中途半端なリポートになったりするが、この本の筆者は、毎日新聞の記者でありながら
ありのままのアフリカを理解するためにかなり危険な場所にまで赴いている。
勿論、アフリカのルポタージュとなれば、他にも強烈な内容や過激なまでの表現
で目を引く物もあるが、全体を通してアフリカの現状、歴史を公平且つ冷静に
読者にわかり易く表現した物は、そんなにあるわけではない。
その意味で非常に貴重であると同時に、安定した身分でありながら、本来もっている
好奇心と行動力で、日本にいると中々知ることができないアフリカの今を
伝えてくれた著者に脱帽である。
日本の記者の中にも自らの足で記事を書く優秀な記者はたくさんいるとのことと、
記者クラブにおける日本の閉鎖性について、巻末に僅かに言及しているところにも、
筆者のジャーナリストとしての気持ちの強さを感じた。
色々と問題が多い日本のメディア・報道姿勢だが、少しでも著者のような記者が
変えていってくれる事を期待したいと思う。
アフリカと暴力の関連性の一端を見る意味で非常に勉強になる一冊でした。