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ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
 
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ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) [新書]

堤 未果
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (200件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

堤 未果
東京生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 207ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/1/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4004311128
  • ISBN-13: 978-4004311126
  • 発売日: 2008/1/22
  • 商品の寸法: 17.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (200件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 医療崩壊!アメリカの悲劇を他山の石に。, 2008/3/22
By 
昭和弐拾八號 (北海道) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) (新書)
全般については他のレビュアーのかたが大勢書いているので、私は第3章「一度の病気で貧困層に転落する人々」についてのみ感想を書く。ある本に書かれているエピソードを検証なしに信じ込むのは幼稚だが、私は複数の他著で確認している。(また、ヒラリー・クリントンが、健保を大きな政治的テーマにしていることも、良く知られている)

我が国はまだ国民皆保険制度と高額医療費制度が機能しているので、本書に書かれているように、多少の病気でいきなり中流から貧困へ転落ということはないが、1年前、私が狭心症で半月余り公的病院に入院したとき窓口で60万円請求されてびっくりした。 日々の薬代も2ヶ月で約1万円と馬鹿にならない。 これで健保や高額医療費制度がもっと骨抜きになったら、私もロワーミドルから貧困層に転落するかも知れない。

また既に社会問題になりかけているが、産科・小児科など診療科によって医師・病院不足が深刻である。それも田舎ほど酷い。医師と雖もタダの人であり職業選択は自由である。いつまでも、過労と相対的低収入と医療過誤の訴訟リスクに堪えろというほうが無理だ。

斯く言う私は、損害保険会社で医療費をチェックする職務に就いており、長年に亙り開業医と対立する場面が多かったが、近年は寧ろ医療機関に同情的である。

我田引水のようで恐縮だが、医療でも損害保険でも安心できて質の高いサービスを受けようと思えば相応の対価を払い、むやみに重箱の隅をつつかないのが日本精神というものではなかろうか。 このままアメリカ発のコンプライアンス&成果原理主義が蔓延すると日本の医療も民族資本の保険会社も破綻し、気がついたときにはアメリカの保険会社に蹂躙されてしまう危険を、現場の末端にいて感じている。

我々国民が深刻な問題意識を持ち、早急に政治家と官僚の意識を変えなければ、いずれ行き着く先は本書で暴かれた今のアメリカと同様になるだろう。
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34 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 決して対岸の火事ではない, 2008/5/2
By 
南コータロー (横浜市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) (新書)
米国の貧困問題について、驚くべき数々の実例を紹介しながら、

その実態を焙り出した話題の書。

米国の医療制度の悲惨さにも驚いたが、

さらに深刻なのは貧困層の人々が戦争ビジネスの食いものにされているという現実。

そして、OECD加盟国の中で相対的貧困率が米国に次いで二番目に高い我が国の事を思うと、

決して対岸の火事と言える状況ではない。

格差問題、貧困問題について考える上で必読の一冊。
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114 人中、101人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 アングロサクソンの価値観ー投資利回り最大化, 2008/5/7
By 
アキレスの踵 "アレキシス" (三重県) - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) (新書)
欧米と簡単に言う人が多いが、もともと英語圏とヨーロッパ大陸では価値観が異なっていた。英語圏では、企業は投資家(株主)の利益を最大化するために活動すると考えてきた。これを一言で表現すると、「投資利回り最大化」になる。投資利回りを最大化する方法は昔から決まっていて、それは発展途上国の中で一番優秀な国に投資することである。有能な人間を安い賃金で雇えて、効率よく物を生産できる国に投資することである。

ヨーロッパ大陸では、企業は地域社会に貢献するために活動すると考えてきた。雇用を維持し、地域の経済・文化に貢献することが使命であると考えてきた。これが後になって、国家に貢献するために発展していくのだが、ともかく日本の考え方はヨーロッパ大陸のほうに近かったといえよう。

19世紀のイギリス資本は根こそぎアメリカに移ってしまった。当時は、投資利回り最大化を実現できる国がアメリカだったからである。そして今、アメリカ企業は国内の工場を閉鎖して、中国・ブラジル等に生産設備を移している。これは投資利回り最大化という価値観からは、正しい行動である。

しかしその結果、中流階級が就ける安定した仕事が激減し、安い時給のパートしか見つからなくなってしまった。それでも統計上は失業者には入らない。その一方で、投資に回すまとまった資産を持つ人はますます儲かるようになり、ガードマンに守られ美観が保たれた高級住宅地に住むようになる。こうして貧富の二極分化が加速度をつけて拡大していく。これがアングロサクソンの価値観の行き着く先である。今回のサブプライムローン問題が起こっても、この価値観はおそらく変わることはないだろう。

もうひとつの行き着く先は、地方文化の破壊である。詳しい説明は省くが、チェーン店というのは投資利回りを最大化するために、アメリカで考え出されたシステムである。これが広まれば、地域の個性ある店は廃業に追い込まれていく。そしてどこに行っても同じチェーン店が同じ商品を提供するようになるのである。アメリカはすでにそうなっているが、これが投資利回り最大化を達成した国の姿である。
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