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ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
 
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ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) [新書]

堤 未果
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (187件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 735 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

堤/未果
東京生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 207ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/1/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4004311128
  • ISBN-13: 978-4004311126
  • 発売日: 2008/1/22
  • 商品パッケージの寸法: 17.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (187件のカスタマーレビュー)
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141 人中、130人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 昭和弐拾八號 トップ500レビュアー
形式:新書
全般については他のレビュアーのかたが大勢書いているので、私は第3章「一度の病気で貧困層に転落する人々」についてのみ感想を書く。ある本に書かれているエピソードを検証なしに信じ込むのは幼稚だが、私は複数の他著で確認している。(また、ヒラリー・クリントンが、健保を大きな政治的テーマにしていることも、良く知られている)

我が国はまだ国民皆保険制度と高額医療費制度が機能しているので、本書に書かれているように、多少の病気でいきなり中流から貧困へ転落ということはないが、1年前、私が狭心症で半月余り公的病院に入院したとき窓口で60万円請求されてびっくりした。 日々の薬代も2ヶ月で約1万円と馬鹿にならない。 これで健保や高額医療費制度がもっと骨抜きになったら、私もロワーミドルから貧困層に転落するかも知れない。

また既に社会問題になりかけているが、産科・小児科など診療科によって医師・病院不足が深刻である。それも田舎ほど酷い。医師と雖もタダの人であり職業選択は自由である。いつまでも、過労と相対的低収入と医療過誤の訴訟リスクに堪えろというほうが無理だ。

斯く言う私は、損害保険会社で医療費をチェックする職務に就いており、長年に亙り開業医と対立する場面が多かったが、近年は寧ろ医療機関に同情的である。

我田引水のようで恐縮だが、医療でも損害保険でも安心できて質の高いサービスを受けようと思えば相応の対価を払い、むやみに重箱の隅をつつかないのが日本精神というものではなかろうか。 このままアメリカ発のコンプライアンス&成果原理主義が蔓延すると日本の医療も民族資本の保険会社も破綻し、気がついたときにはアメリカの保険会社に蹂躙されてしまう危険を、現場の末端にいて感じている。

我々国民が深刻な問題意識を持ち、早急に政治家と官僚の意識を変えなければ、いずれ行き着く先は本書で暴かれた今のアメリカと同様になるだろう。
このレビューは参考になりましたか?
34 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
若い頃、アメリカは憧れの国だった。今でも憧れている部分はあるが、年齢を重ねてジックリのアメリカの姿を見ているとその現実や事実に驚く。その中でも本書のレポートは衝撃的である。貧困格差、貧乏人は死を待つしかないようも感じる詐欺のような保険医療制度、貧困者の弱みに付け込んだ軍への入隊勧誘。アメリカの悪意の塊は、将来の日本にも起こりうると思うし、一部の事実は現在の日本にも存在する。自由であり、民主主義的であり、資本主義でありことを否定しようとは思わないが、どんな事でも「過ぎたるは及ばざるが如しという」格言の通りである。アメリカに限らず人間はお金という自分たちの作り出した発明品に溺れているだけのようだ。しかし色々な問題の根源が結局金に行き着くアメリカや資本主義社会の不幸感や理不尽さが空しいほど伝わってくる渾身のレポートである。私は2回読みましたが、本当にお勧めです。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 新自由主義の行き着く先 2011/4/10
形式:新書
新自由主義が中流層を崩壊させ新たな大量の貧困層を作り出しその貧困層をこそ収奪することによってごく少数の特権層が莫大な富を得ているアメリカ社会のルポ。

新自由主義は全てをカネと商品の関係に置き換えていこうとする。まずは「モノ(人間も"人材"として商品化され、それを効率的に分配する為に情報化される)」。次に「文化(企業の要求に応える教育・研究ばかりが推奨される、著作権が学芸を囲い込む)」。更に「安全(防災、防犯、そして軍事の民営化)」。最後に「生命(医療、健康、遺伝子情報)」。

アメリカは新自由主義が極端に推し進められてしまった国だ。よくもこんな社会で人間が生きていけるものだと驚く。日本も他人事ではない。我々の社会を新自由主義に売り渡そうとしている勢力が現にある。競争社会というのは万人が競争に晒される社会では決してないと思う。「自由」競争の名の下に、競争を強いる側と、競争を強いられる側に二極化した社会ではないか。後者が前者に階層移動するのは殆ど不可能だ。この社会で何らか不幸に陥った後者の側の人間は、「敗者」として・「自己責任」を負った者として・つまり社会がサポートする必要のない存在として、表象される。そして同じ境遇に置かれている者同士の連帯は、お互いを蹴落とすべき競争相手とみなす意識ゆえに、困難となる・・・。新自由主義のもとで善人ヅラする余裕のあるのは余程の悪人だけではないかと思ってしまう。貧困層を搾取しそれを再生産することで巨富を得る、"悪人"。

そして貧困層に転落した者の行き着く果てが、軍隊だという。愛国心の為でもイデオロギーの為でもない、三度の食事を求めての、入隊。「生存の為に戦争に行く」というブラックジョークが現実のものとなっている。戦争には二重の差別があると思う、共同体外の一部の人間を殺すべき存在として括り出し物化する点で、及び共同体内の一部の人間を殺させるべき存在として括り出し道具化している点で。人間として真っ当に生きる権利を真に獲得していくことが、平和に生きる社会につながっていくという。

「生きさせろ!」と叫ぶプレカリアート運動の高まりの中で、日本国憲法25条(生存権)の重要性が再確認されている。今後の国際的な反新自由主義の運動は、人間的な生存の一点でつながっていくのかもしれない。「人間の尊厳」とか「反資本主義」が現実を知らない理想主義者の観念的遊戯だとは思わない。明日の命が懸かっている人間が、すぐ近くにいる。
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