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ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書)
 
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ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書) [新書]

佐藤 幹夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

認知症ケアは、超高齢社会の今を生きる誰にとっても、医療や介護の専門家にとっても、制度や発想の壁を破り続けることが求められる生の最前線である。しかもそれは待ったなしなのだ。ケアを必要とする人/担う人が、地域と連携し、新たな可能性に挑み、切り拓いている日本各地の試みを、共感と確信に満ちたルポで紹介する。

内容(「BOOK」データベースより)

認知症ケアは、超高齢社会を生きる私たちにとって生の最前線である。医療や介護の現場はもちろん、市民生活でも、制度や発想の壁を破り続けることが求められる。しかもそれはまったなしなのだ。ケアを必要とする人/担う人が、地域と連携し、新たな可能性に挑み、切り拓いている日本各地の試みを、共感と確信に満ちたルポで紹介する。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/4/21)
  • ISBN-10: 4004313082
  • ISBN-13: 978-4004313083
  • 発売日: 2011/4/21
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 「地域連携」「ケアする人へのケア」―認知症ケアのこれからを切り開く現場の取り組みが満載, 2011/5/2
レビュー対象商品: ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書) (新書)
 いま、私たちは先進国中最速の速度で高齢化が進む国で暮らしている。現在、政府が社会保障と税の一体改革の検討を進めている最中だが、年金・医療・介護といった社会保障は、とかく財源論に終始しがちである。財源の目途が経たなければ、どんな素晴らしいビジョンであっても絵に描いた餅となる以上、それはやむを得ない。
 しかし、医療・介護は自分たちの親をはじめ、身近で大切な人たちが受ける公的なサービスであり、次世代にも残していかなければならない重要な社会インフラだ。そうであればこそ、医療・介護現場が放つさまざまなメッセージに耳目を傾け、それをを医療・介護政策に反映させる。そして、そのための財源をわれわれがどこまで負担するか―こうした順序で政策論議を進めていくことが必要だと思えてならない。
 本書では、認知症高齢者を支える日本各地の取り組み事例が、現場の臨場感を伴って紹介されている。その素材となっているのが「共生」「地域連携」「在宅における看取り」「ケアする人のケア」といったキーワードだ。目次をざっと見て、関心を持った取り組み事例から読んでもよいが、最終的には全編をじっくり読むことをお勧めしたい。なぜなら、1つひとつの取り組み事例は、「認知症高齢者のケア」を手がかりに「21世紀の地域社会におけるつながりをどう創り上げていくか」という筆者の考えをも伝えているからだ。奇しくも昨夏、「100歳超の行方不明高齢者問題」が世間の注目を集めた。また、「無縁社会」という人と人のつながりのいまを問う言葉もメディアに登場した。2012年度には、医療・介護報酬の同時改定が行われる予定でもある。そんな時だからこそ、認知症ケアのこれからを考えるには、絶好の機会だといえるかもしれない。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 最前線(the front line)と後方(the backward)との「つながり」, 2011/7/21
レビュー対象商品: ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書) (新書)
本書は他のレビューが5ポイントと同じく、「高齢者医療―地域で支えるために」 (岩波新書)続く、著者 の良書です。前書が総論的な内容でありましたが、今回は著者が、調べた具体的ケースを豊富な写真で、示して頂いています。
 著作のタイトルが「最前線」と帯のコピーに「戦略的」という軍事用語が使われ、著者の危機意識が「後方」にも伝わってきます。本書で繰り返される「つながり」は地域と認知症の患者の「つながり」のみならず、同じ意識を共有してくださいという「最前線」から「後方」への「つながり」のように。(もちろん前作「高齢者医療」もお勧めです。」
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人は“つながり”なくして生きられない, 2011/6/12
By 
ぽるじはど - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)    (VINEメンバー)   
レビュー対象商品: ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書) (新書)
本書のテーマは、80年代以降の“一人でいること”に価値を求めるあまり捨て去ってきた多くの社会互助機能を、「認知症高齢者のケア」を主に、どう“つながり”を戦略的に作り再生し、メンテナンスするかの知恵が探られている。
 

認知症の治療もケアも現在では確立しておらず、元気な認知症高齢者から家族は目が離せず、また抱え込むことで認知症が進む事も予測できるのだが、それを医療知識のない家族が知らず、世間の目も気にする事が更に高齢者を“閉じこも”らせ、事態を悪化させている。
 数年前、南田洋子を自宅で介護する長門博之の姿がTVで放送されたが、彼が医師に南田を診せたのは認知症も中期になり、家での面倒を見るのが困難になってからであり、「もっと早く手を打て!」と私はTVの前で怒ったのだが、そうしていれば、病状も進まず、もっと長生きしたはずだと今でも思っている。

 このような先例が世間で話題になっても尚、ケア施設が圧倒的に少ないこともあって、介護難民はドンドン増え続けている。
そんな中でも理想を追い求めている所もあり、それを本書は紹介する。

例えば、小樽市高齢者懇談会「社のつどい」
認知症高齢者の医療における意思疎通の問題、判断力の衰えを法的にサポートする「成年後見制度」において、市民後見人を講座で養成(東京・大阪でもやっている)し、医師や社会福祉士などの専門職とペアになって、通常のボランティアの関係から更に一歩踏み込んだ社会契約関係で、高齢者とつながる。

因島医師会病院
 わずか20名の会員によって設立され、診察や検査施設が会員である開業医に開放され、介護保険の導入に伴って医師にケアマネージャー資格の習得を勧め、院内に訪問介護・ヘルパー・ケアマネの各ステーションと地域包括支援センターを集中させた施設を併合し、医療介護連携が院内で完結するようになっている。

ベルタウン
施設という概念から街という概念で、同一建物内に特別養護老人ホームと保育園を配置し、乳幼児と高齢者の定期的な交流が日常的に行われている。 

 他にも全11の取り組みが書かれているが、まとめると、
 デイサービスでは、
軽度の方への告知、仲間と共に物忘れに立ち向かう、社会の一員として自分にできることで貢献する、押しつけでなく自分のやりたい事で活動の自立性を惹起し、その自立した行いに喜びと達成感を感じ、生き甲斐となるような活動や補助手段の提供によって、生活機能を向上させ、介護予防にも繋げる、衰えていく認知能力やそこから生じる障がい特性に配慮し、「障がい者」だからと上から見下ろすことなく、「忘れた、できない」との回答でなく、答えることのできる回答を引き出す質問をする。

共生型介護では、
赤ちゃんから高齢者まで障がいのあるなしに関わらない富山型デイサービスによって、高齢者は子育て当時を思い出し、満足度や時として改善効果が見られる、子どもにとっては自然と手助けするなど日常生活の中で思いやりが身につく、障がい者には居場所や受け皿となり、有償ボランティアという形で自立を探る一助にもなっている。
というようなところか。

また本書はそのまとめで、認知症問題は、医療や介護だけの問題ではない、と経済損失にも触れる。
認知症高齢者が押し売りや詐欺などの経済被害にあった金額が年間2兆円(一人平均171万)。 
介護のために離職する人年間15万人にも及ぶのと、それらの早期退職、不動産売却、家族の費消、生命保険の解約などの機会損失は、7,5兆円(一人平均497万)で、合計すると10兆円が毎年消えていると試算されている。
 これは東京都によるアルツハイマーに関する調査だが、全国規模での調査すら未だ行われていない。
東京都老人総合研究所・新開省二部長調査の疫学調査、医学的な調査でも、外出頻度が週1回以下の“閉じこもり”高齢者の2年後死亡率は、そうでない高齢者の2〜4(障がいがあって外出できない方)倍と高かった。

またアルツハイマーが、他者との交流が苦手という人の発症率が高い事は知られており、初期であれば人と交流し、脳を刺激すれば回復が可能との報告もあるし、蟹江きんさんは元気なぎんさんに負けじと100歳を超えてから筋トレをやり出し、解除無しで歩けるようになったばかりか認知症気味であった点も改善された。
運動で初期認知症が改善されるとの話はよく聞く話で、決して特別な話ではない。
その辺りには踏み込まれていないが、どのようなケアが当事者にとって望ましいのかを知る上で、現場の話をまとめた本書は、する側される側を問わず有益な情報が詰まっている。
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