著者は1966年(昭和41年)生まれ。共同通信のソウル特派員を務めた元記者。
共同通信は赤旗が撤退後初めて平壌に支局を設けたメディアであるが、
日本からの特派員はおかず、現地採用の係員がいるだけである。
本書の記述で最も面白いのは北朝鮮による拉致被害者家族連絡会、いわゆる「家族会」(代表:飯塚繁雄)と
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会、いわゆる「救う会」(会長:西岡力)の
北朝鮮情報利権をめぐる対立と変遷である。
「家族会」の横田滋代表は何故辞めたのか。副代表だった蓮池透氏は何故除名されたのか。
事務局長の増元照明氏は何故参院選に立候補したのか。
「救う会」は『現代コリア』を母体にして作られたが、会長だった佐藤勝巳氏は何故石もて追われたのか、
佐藤氏の弟子にしか過ぎなかった西岡力氏が会長の座を射止めたのは何故なのか。
安倍晋三元首相はこれにどうか関わったのか。
果たして本書に書かれていることは皆事実なのか。
そして、北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟、いわゆる「拉致議連」に
所属するメリットはなんなのか。
そして、そして、著者が共同通信を辞めた理由はなんなのか。
メデイアにとってはそこに取材対象があって取材しないのは自殺行為だと言うが……
全ての事実は割り切れないところにあるかもしれない。