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ルポ 戦場出稼ぎ労働者 (集英社新書)
 
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ルポ 戦場出稼ぎ労働者 (集英社新書) [新書]

安田 純平
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 756 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容説明

究極の「派遣労働」の現場をゆく!
現代の民営化された戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地建設などにおける派遣労働者として危険地帯で働いている。一介の出稼ぎ労働者として潜入、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。

内容(「BOOK」データベースより)

現代の民営化が進む戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、労働者として働いている。こうした出稼ぎ労働者なしでは、もはや軍事的なオペレーションは、成立し得ないのだ。著者は自ら出稼ぎ労働者となり、イラク軍基地訓練施設に単独で潜入した。グローバル化世界における、世界の貧困を前提にした戦争ビジネス、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2010/3/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205363
  • ISBN-13: 978-4087205367
  • 発売日: 2010/3/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
月給10万円でイラクの激戦地の工事現場の料理人を半年務め上げた記録である本書は2つの意味ですごい。まず、平和主義の我が国で、機密の多い戦争の内部に入り込むのは困難を極める。内部の視点から「戦争の民営化」が書かれた、という意味で貴重である。そして、厳格な入国管理で公用以外の入国がほぼ不可能で、ニュース価値が減じた上に危険極まりない中で、日本人ジャーナリストもいないイラクとイラク人を3年前、移動の自由が一切なかったとはいえ1年継続的に見続けた点である。

イラク戦争の末端を担う出稼ぎ労働者の実情を知りたい著者は、和食の料理人経験を偽り、アシスタントシェフとして取材の意図を隠しながら働く。料理人としての日々の仕事内容記述と、ジャーナリストとして、同僚のイラク人やネパール人たちへのインタビューや、50メートル四方の居住区周辺から見える状況の取材という二つの柱からなっている。周りは一面砂漠の居住区からは危険なので、ほとんど出られないし、爆弾が数百メートル先に着弾するし、夏は気温50度。砂上の牢獄といってもいい精神的に参ってしまいそうな空間で著者は毎日12時間働く。後半は給料の遅配、ボスに昇進してからの運営状況の記述、撤収時のイラク人の略奪など、読むほどにイラクの希望のかけらもない現実をいやというほど思い知らされる。「反米民兵をしているイラク人スタッフもいるから、基地内のイラク人も一切信用するな」というコマンダーの注意は象徴的だろう。

元人質の汚名を着せられた著者がイラク報道への関心を持ち続けていたことに感心した。数十四方メートルの空間から、イラク人と外国人の埋めようのない相互不信、無法地帯ぶり、過酷すぎる生活環境など、様々なイラクの現実が浮き彫りにされていて、優れたイラク戦争のジャーナリズムとして読める。「約1年をかけた非常に濃い内容で新書」、というCPも勘案して☆5。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Lehman Packer トップ1000レビュアー
形式:新書
 著者の安田氏は、2004年にイラクで拉致された報道関係者の一人で、成田空港でガッツポーズをした人だと覚えている。
 安田氏には「政府に迷惑を掛けるな」という声が届いてたようだが、そんなガラパゴスのイグアナになりたい連中の意見は、無視して構わないと思う。
 「この人は生死も自己責任で、いずれまたイラクに戻るんだろうな。」とは思ったが、まさか自らが出稼ぎ労働者になるとは思わなかった。

 第1章はクウェートでの職探しだ。ここでは労働者も派遣業者も外国人で、インド、ネパール、パキ、フィリピンなど様々な国の人が顔を出す。安田氏はクウェートのNo.18ビザを取得してないことが障害になり、職が決まるまで時間がかかったが、その間のこの人材マーケットのルポも十分興味深い。
 安田氏はイラク南部のディワニヤのイラク軍の基地建設現場で、料理人としての職を得た。陸路ディワニヤに向かう途中の休憩では、襲撃時に散開できるように、3台の車を20m間隔で止めて、なおかつ車体の向きを左右にたがえるなど、すでにバリバリ戦場モードだ。

 居住区ではV社のインド人シェフであるポールの下でイラク人スタッフと働いた。おかげでイラク人の本音が良く聞けている。
 日本ではイラクの内戦が宗教対立という理念で説明されてるが、実際には利権の奪い合いのようだ。だからシーア派の中でも対立がある。
 ディワニヤは最激戦地の一つで爆発騒ぎはしょっちゅうである。イラク人従業員も脅迫されながら働いている。それにも関わらずV社は給料の遅配を続ける、ろくでもない会社だ。
 安田氏は結局9ヶ月ほどイラクに滞在した。

 本書には自分の裁量で命を懸けられる、フリーならではの、現場情報の厚みがある。全体を総括する第5章では、安田氏の個人的な見解が多少は現れるが、全体的にみれば事実を伝える事に徹している。情報の少なさを政治的意見で水増しする事のないすばらしいルポである。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 イラク戦争の民営化を取材するために苦労し、リスクを冒して料理人として潜入・・・・・・フリージャーナリストの真骨頂である。戦争の実態、労働者のグローバルな移動、戦場労働を行う人々の背景が具体的に描かれている。

 民間軍事企業に対しては規制強化の動きが進んでいる。現在のグローバル経済のコスト削減の傾向が戦争のさまざまなオペレーションにも及んでいることにあらためて驚いた。

 日本社会を支配する「愛国心」と「空気」についての論にはうなずける。日本社会の閉塞感を打ち破ろうとする動きは多数出ているものの、現在はいまだこうした動きと「愛国心」や「空気」が相克しているように感じられる。筆者による日本人の多くに見られる戦争へのナイーブな態度、これは戦争を支持していることと同じという意見も鋭い。

 近年、ほんの少しだけ海外の現場を見て、ステレオタイプでナイーブな切り口で現地の状況を論じる「分かりやすい」報道が目立つ。このような報道も直接的ないし間接的に「愛国心」や「空気」を増幅させるものなのではないだろうか。

 日本人の戦場労働進出の可能性についての皮肉を込めた考察は日本社会も経済のグローバル化に大きく巻き込まれていることを気付かせる。経済のグローバル化という現象下において日本社会と戦場はつながっている。そして、このつながりを強めるのも弱めるのも政策とこれに間接的に関わる私達一人ひとりである。
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