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自衛隊員や、企業の従業員は『命令』を拒否できるのか、出来るとしたらその根拠はなにか、学者の研究を待つようでは遅すぎる。法律家や運動家に取材して、『拒否できるのだ』と示しているのは現代の希望だろう。まだ『命令』自体が自分に降りかかるとは思っていない国民がほとんどの御時勢、『今闘っておかないと手遅れになる』と自覚的に運動している人たちを丁寧に紹介している。また、チラシを配っただけで逮捕する相手側の法的根拠はなにか、その根拠の矛盾などを紹介して『しのび寄る統制の足音』に警笛を鳴らしている。
「(たとえ自衛隊の任務を格上げしても)憲法九条がある限り、自衛隊の主たる任務を防衛出動の範囲以上にまでは拡大できない。憲法は軍法会議も認めていません。」「海外派遣を断っても、その行為を受け入れる世論があれば、自衛官も家族も孤立感を感じずに『行きません』と断ることができる」ある運動家のこの指摘は重要だろう。
そして今後日本が、「戦争ができない国」から「戦争ができる国」へと変わってしまった場合、この「戦争協力」という言葉は、より現実的に国民にのしかかる。個人の行動や考え方には様々な規制がかかり、良心の自由も束縛されかねない。そして日本は戦争の間接的な加害者から、直接的な加害者へと変貌することになる。
本書では、すでに「戦争協力」に関わる人々、苦悩や葛藤を抱える自衛官やその家族の心境について、また有事法制に疑問を投げかけ、有事つまり戦争の際の業務協力を拒否する人々についての紹介をしている。
この先、日本が直接の戦争加害者にならないために、そして国民よりも国家を優先する有事法制を空洞化させるために、一人一人が戦争協力拒否の姿勢をとらなければならない、と痛感させられた。
「戦争協力」と言われても、いまいち実感のわかない方々にも、いま、そこにある現実として、ぜひ一読をお勧めしたい。
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