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ルポ 出所者の現実 (平凡社新書)
 
 

ルポ 出所者の現実 (平凡社新書) [新書]

斎藤 充功
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

刑務所を出た元受刑者による再犯が社会問題化している。出所者百人余を取材してきた著者が彼らの置かれている過酷な現実を描き出す。

内容(「BOOK」データベースより)

刑務所出所者による再犯が社会問題化している。『犯罪白書』(平成21年版)によると、一般刑法犯の再犯者率は40パーセント以上。受刑者同士が刑務所内で出所後の犯行を謀議し、凶悪犯罪に結びついたケースもある。彼らの自立更生と再犯防止の有効手段はないのか。出所者と彼らを受け入れる社会、統計では見えないリアルな姿を描く。

登録情報

  • 新書: 216ページ
  • 出版社: 平凡社 (2010/11/16)
  • ISBN-10: 4582855571
  • ISBN-13: 978-4582855579
  • 発売日: 2010/11/16
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 本書は、なかなか評価の難しい本かもしれません。
 第1章「刑務所の現実」や第3章「出所者たちのその後」では、受刑者や出所者にインタビューした結果がいくつも記載されています。
 また、第4章「出所者のセーフティ・ネットワーク」では自立促進センターや就業支援センターのような出所者の就職や更生を支援する施設を現地でみて、関係者にインタビューしています。
 その意味で本書は「ルポ 出所者の現実」というタイトルに合致した内容と言えると思います。
 ただ、多くのインタビューを集めてはいるものの、「このインタビューによって何を言いたいの?」とか、「あれ? これで終わり? もう少し追加取材しないの?」というような取材が散見されます。
 私は正直言って、たいくつで物足りない部分が多いような感じがしました。

 やや辛口の批評を書きましたが、それでもやはり受刑者や出所者や各施設を訪ねて取材していることは評価に値すると思います。
 (a)刑務所での作業の報奨金は時給43.5円〜6.1円(熟練度など等級によって異なる)に過ぎず、出所者は出所時にわずかなカネしか持っていない、このことはその後の生活再建が困難になりすぐに再犯を犯してしまう可能性が高い、(b)刑務所の中での職業訓練が十分でない、(c)現状では刑務所は再犯を犯す情報交換や仲間集めの場となっている場合もある、(d)地元住民の反対があって自立更生センターを建設することには困難が伴う、などの指摘はなかなか傾聴に値するものと思います。

やや熟度の低い本であり、ぜひ読むべき本とまでは言えませんが、一読には値すると思います。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 刑務所関連の出版物と言えば、収監経験者による体験記
か、センセーショナルな週刊誌記事が思い浮かべられる。

しかし本書は、実際に全国の刑務所、更生施設を訪ね、
かつ出所者への直接インタビューによる取材をベースとした
うえで、「更生保護事業は社会全体で取り組むべき課題であ
る」との主張を行っている。

 現在の刑事政策の状況がリアルにかつ分かりやすく語られ
ており、貧困、格差関連の問題に関心を持つ方にとって一読
する価値がある著作と思われる。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:新書
 実刑に服役した人が出所した後、一体どのような人生を送るのか。直球なタイトルのこの『ルポ 出所者の現実』は、ノンフィクション作家の著者が全国津々浦々の刑務所、更生施設、あるいは出所者にインタビューするなど、まさに足で稼いで得た資料がもとになっている。

 刑務所の制度や獄中の生活についての知識も得ることができるが、本書が何よりも焦点を当てているのは、出所後の彼らの処遇だ。本書の一つの核になっているのは、例のマブチモーター社長事件が起こる過程だ。かの事件には、出所後に社会から孤立した犯人が獄中で知り合った「共犯者」と手を組んで起こしてしまったという皮肉な背景があった。

 とかく出所者の現実は厳しい。再就職も困難だ。また更生施設も各地に点在するが、全員が利用できるわけではないし、この本を読んで知ったが保護司も殆んどボランティアに近い仕事なのだ。こうした現実に、服役時のことを一番知っているはずの刑務所の側は「拘束の確保」が絶対的な目的であり、またプライバシーの観点からも介入できないようになっている。その上、高齢で身寄りのない受刑者も増加傾向にあり、まさに八方塞だ。

 「前科者」に対して優しくするべきではないという意見は、最もである。しかし、彼らが社会から取り残され、犯罪に至ってしまうまでにどこかで歯止めをかけるまでの人間関係、セーフティーネットがなかったという側面も、そこにはないのか。犯罪を減らし、住みよい社会を作るためにも、出所者を手厚く迎え入れる制度、施設の整備は、喫緊の課題だろう。
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