著者が毎日新聞のヨハネスブルグ特派員時代にアフリカ各国を取材した事を基に書かれている本である。
が、この取材内容が凄まじい。南アのスラム街に始まり、モザンビークの強盗に人身売買の当事者、ナイジェリアやコンゴの活動組織、スーダン、チャド、そして無政府状態のソマリア。
よくもまあ無事に帰って来れたものである。
副題である「暴力が結ぶ貧困と繁栄」を描くなら確かに、こういった取材が必要なのだろうが、著者の心にはアフリカへの愛が溢れている。「アフリカの人々も我々と同じく喜び、悲しみ、悩み、怒りながら生きている」と著者は言う。そのアフリカにどうしたら日本の、いや、世界の目を向けさせることができるか、これがこの本の壮大なテーマであり、その義務感に駆られたからこそ、ここまで危険な取材ができたのであろう。
私自身仕事柄数回南アやそれ以外のアフリカ諸国に行っており、それだけに著者の行動力にはただただ圧倒された。
アフリカに関係する方は当然のこと、それ以外の方々にもお薦めしたい内容である。