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これは古くから経営者が労働者に対して権力を持つことの根拠としてみなされてきた。想像力の働く人であれば、「解雇」という脅しによって労働者がどんなに現場でつらいことを耐えてきたのか、理解できるはずだ。
日本はアメリカと並んでILOの中核的労働基準にほとんど遵守していない国であり、解雇のルールに関してもその水準は後発国以下である。日本が先進国といわれて久しいが、長期不況とともになりふり構わない政府財界の構造改革が、私たちの生活状況に大きな影響を与えている。
果たして、労働市場を流動化し、一部の富裕層と圧倒的多数の不安定就業層を作り上げることが、日本の将来にとって正しい選択なのでしょうか。このことを改めて考えさせるルポタージュです。
その様な深刻な日本の労働環境を克明に抉り出したのがこの本です。
この本が書かれたのは労働基準法が改正案段階で「使用者は解雇権を有する」と言う文言を盛り込む事(結局は解雇権を盛り込まない形で立法上の決着はつきましたが)によって、使用者にとって都合の良い解雇がますます進むのではないか、との切迫した危惧の下で書かれたものである上に、労働の現場では「自主退職」に追い込むための陰惨ないじめ、無実の罪を着せて労働者を社会から抹殺するといった悲惨な状況や、裁判で争っても金と時間がかかり、事実上労働者が裁判所を利用できない現状も描き出しています。
このルポを真摯に受け止めて日本のあるべき労働の姿を考えたい人には大変お勧めです。
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