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5つ星のうち 4.0
足で稼いだルポタージュの傑作,
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レビュー対象商品: ルポ美容整形 (単行本)
本書はフリーライターの著者がものした美容整形についてのルポタージュだ。整形手術の現場でいったいどのような施術が行われているのかの現場取材から、日本の美容整形の歴史、さらには実際に各種の整形手術をもうすでにうけた患者、そして手術する側、手術にて使用されるシリコーンの発明者、さらには民主化して間もない韓国(本書出版は91年)にまで飛ぶなど、とにかく足で稼いだ取材が多くをしめていて、力作といっても過言ではない。 興味深い記述にあふれているが、なかでも敗戦後のGHQ占領下、米軍兵の“お相手”をしていた日本の女性(いわゆる“パンパン”というやつですな)が、相手に本国アメリカまでつれて帰ってもらうために、自らの顔面に西洋的な美を植え込もうとして殺到したなど(もちろん、彼女らは捨てられる運命にあった)、『蝶々夫人』に負けず劣らずの悲惨な事実も少なくない。 またこの本は、美容整形業界の後ろ暗い部分もうつす。傷病などの欠損を直すわけではない美容整形は保険が利かない。それはどちらかといえば消費行動として受け取られていて、そのため、どれだけお客を呼べるかが儲けにダイレクトに響き、結果的に「広告まがいの記事」による客寄せ合戦がし烈化しているのだ。 著者のスタンスはこの本の中で中立、いや、著者個人としては美容整形とはおそらく理解しがたい営みなのだろう。しかし、そんな自分の見解をいったんは括弧にいれ、ときに高須クリニックのハイテンションな整形賛美の発言に耳を傾け、時に品川クリニックのエセ宗教まがいの説法に参加してと、それら現象に真摯に向き合った著者の仕事は評価したい。これこそジャーナリズムの本道だ。
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