面白かったです。なんせルパン読んで育った小学生だったから。
観る価値あり。だって楽しめるもの。
七つ星の謎、奇岩城、ボーマニャンから、ドーブレックの義眼から、
ケッセルバッハ、カリオストロ伯爵夫人、クラリス、息子のジャンまで、
数ある作品の要素をうまいこと組み込んで破綻せず話を作り上げてある。
いさぎよくガニマールやビクトワールといった原作の重要キャラクターを避けたのも正解。
情熱家なのに飄々として、盗みをせずにはいられない、そしてツメの甘いルパン。
才能があり、若くて、自負があって、冷酷になりきれないところ。
内面のプレッシャーを表に見せまいとする。軽々として優雅な身のこなし。
完璧な美男子じゃないんだけど、女受けするタイプ。
非常に興味深く造られた書物の人物像が、映像にうまく表現されている。
原作に親しんでた者にはひどくなじみのある、このキャラクターの造作の勝ちだと思う。
初め、キャラが原作のルパンとアニメのルパン三世の合体かとも思ったけれど、
あとで堀口大学訳の原作を一人称の「わし」を「ぼく」にして読みかえたら、
ちゃんと原作だけであの映画のようなルパンだった。
特にルパンが二十そこそこのかけ出しの頃。
で、ついつい手持ちの原作を全部読んで、年代記などを作ってみたりした。
なんせ5、6歳頃のエピソードから五十歳代の事件まで、ず〜っとあるんだものね。
何十作とある話がうまいこと1880〜1920年頃のベルエポックから第一次大戦へと進んで行く
ヨーロッパの歴史に組み込まれていて、世界年表を読みたくなった。
このルパンの映画は大人の観るものです。原作もね、大人が読むともっと面白い。