これまで数多くのRemixアルバムが発売されたルパン三世だが、その過去のアルバムの大半は、原曲のメロディが僅かしか使われないまま違う曲に作り変えられてしまったような企画盤だった。
今回のRemixは作曲者の大野雄二本人による監修で、原音をむやみにバラバラに解体したりせず、メロディも雰囲気も当時のままに細かい楽器だけをはっきりと立ち上げるような方向で制作されている。
作曲者当人ではない第三者によっていじられ、おかしなRemix盤と化したものを掴まされて過去にガッカリした経験のある人にも、充分楽しめるアルバムと思う。
ストリングス・パートの響きが鮮明に立ち上げられている「ルパン三世'79」や、コンガとシンバルの微妙な音がよりはっきり聞こえてビックバンドジャズっぽさが増した「ルパン三世'80」、当時のレコーディング時に間奏部分にサンドラ・ホーン自身が入れていた台詞を蘇らせた「ラヴ・スコール」などなど、70年代に録音された音楽が一層の輝きを放つシャープな音にリニューアルされている。
今回のアルバムで陽の目を見た2曲(トラック13、14のトミー・スナイダーのヴォーカル)もファンには嬉しい贈り物。
原曲の味を損ねない理想的な、2005年のニューアルバム。
ブックレットには、このアルバム製作に関する大野雄二自身のコメントや、収録曲の解説、そして一連の「ミュージックファイル/ルパン三世クロニクル」各盤の詳細な説明と、実に盛りだくさんな内容で満足度高し。