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本書は、ゴーンが経営の秘訣について語ったものではない。本書に著されているのは、知られざる彼の学生時代からミシュラン、ルノー、日産までのキャリアの記録であり、そこで彼が下した決断の数々である。とはいえ、30歳という若さで南米事業を統括するCOOに就任し、ハイパーインフレに悩まされるブラジル事業を成功に導いた話や、北米事業のトップに就任し、ユニロイヤル・グッドリッチを統合した話、ルノー、日産を瀕死の状態から復活させた話などは、究極のケーススタディーといえるかもしれない。また、彼が折々の決断にどんなポリシーを持って臨んだか、状況をどう分析し対応したか、といった話も参考になる。
本書にはまた、転職の話や家族の話、友人の話など、彼自身のプライベートについてのエピソードが数多く紹介されている。たび重なる転職・移住を前向きにとらえ、協力を惜しまなかった妻の話や、良いアドバイスをくれた友人・上司の話などは、どんなときでも誠実さを忘れなかった彼の人柄とあいまって、成功するビジネスパーソンに必要な要素とは何かを考えさせてくれる。グローバルに活躍するビジネスマンとしてのゴーンの人生は、非常に劇的で、それだけでも読む価値がある。(土井英司)
ゴーン氏が日産を再建するために打った手として、通常、真っ先に挙げられるのは大胆なコストカット。しかし実際にはそれよりも、部門間の情報のやりとりを活発にするために「クロス・ファンクショナル・チーム」をつくり、問題意識の共有化に成功したことが、非常に大きな効果をあげているという。
日本人経営者とはひと味違う経営手法と、その背景にある考え方が学べる一冊だ。
(ノンフィクション作家 野口均)
(日経ベンチャー 2001/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
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ゴーンはこの本のプロローグでも述べているように、ビジネススクールでビジネスやマネジメントに関する正規の教育を受けてきたわけではありません。彼は、会社の立て直し方を書物で学んだのではなくて、実際にあらゆる種類の問題に挑戦し、数々の決断を重ねて経験を積むことでより明快なマネジメント上の決断が下せるようになったのだといいます。そして、この、実際に試行錯誤しながらマネジメントを学ぶ方法に勝るものはないと述べています。
その意味で、ゴーンがミシュランやルノー、そして日産で何を考え、どのような試みをし、いかなる決断を下してきたのかを大いに参考にしつつも、やはりマネジメントに安易な道はなく、自らが行動を起こして試行錯誤しなければならないのだと勇気付けられました。
「コスト・カッター」あるいは「コスト・キラー」としてしかゴーンさんを知らなかった人には、彼の人間的魅力を知るいいきっかけになるのではないでしょうか。
それは「勝利からの逆算」という言葉です。
何のためにそれをやるのか?どういう目的を見据えてその言葉を発するのか?
勝利に対する執念、それを「達成するための」明確な戦略、具体的な方策、等。
自分の中に、そのようなしっかりした「原理原則」を持っている人は強いと思います。
私が触発され、共鳴する人物はそういった人であり、ゴーン氏も間違いなく、その中の典型的な人物の一人です。
「分かり易い人間たれ。」
「アマチュアは問題を複雑にし、プロは簡潔さと明晰さを求める。」
そういった、核心をついた氏の発言は、今のような時代にこそ必要だと思います。
規模は違っても、組織を強くする基本は「皆の力をいかに糾合するか?」これに尽きるのではないでしょうか?
「リストラ」というと、即「人員削減」という発想しかない、対処療法的短絡思考。
その結果、従業員の志気の低下、足の引っ張り合い、風通しの悪い組織への変貌、セクショナリズムの横行、挙げ句の果てには「内部告発」による信用の失墜。
そういった、組織が衰亡するマイナスのサイクルとは、彼の発想は無縁だと思います。
本編には書かれていませんが、ゴーン氏は社会人野球の存続をいち早く決定され「皆さんは会社にとってぜひ必要な方々です。」と激励されたエピソードがあります。
是非、お薦めできる一書です。
本を読み進めながら「頭脳明晰とはこういうことを言うのだな」と
思い、また翻訳がよくて、すごく読みやすく簡潔に訳されています。
何か1歩、前へ進みたいとき、
このままでいいのか、と悩んでいる時、
この本を手にとればきっと優しく背中を押してくれると思います。
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