一気読み、でした。WEBで読んで、続きが気になったので買ってみたら、やはり面白かった。「物語」という感じでした。
ヒロインは最近の少女向けライトノベルでは珍しい、物静かな賢い少女。むやみやたらにハイテンションで向こう見ずなヒロインよりもかえってとっつきやすかった気がする。
単純にいえば主人公の成長物語。彼女の機転にはいちいちびっくりさせられた。助けられるだけのヒロインじゃない、自ら行動する彼女は非常に現代的なお姫様だなと思います。最後の仕掛けには思わず「おお」と感心したほど。
世界観もまた、少女向けの中では珍しくて好み。第一次世界大戦後くらいのヨーロッパをイメージしながら読みました。前時代の名残と、貧しさと戦争の影、新しい時代への期待がうまく入り混じって、美しい洋画のような雰囲気です。おとぎ話的キラキラファンタジーもいいけど、こういうしっとりした、地に足をつけた話も好きです。
名前がとっつきにくい気もしたけど、読んでいるうちに自然と覚えてたから、物語に飲み込まれれば問題はないかも。男性キャラクターもかなりよかった。個人的にはイロンデルが好きだったな。皮肉っぽいところがツボでした。
登場人物が上手に絡み合っているし、「物語」と呼んで差支えない出来だと感じました。
この作者さんの作品なら次も読んでみたい。