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ルソン戦―死の谷 (岩波新書)
 
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ルソン戦―死の谷 (岩波新書) [新書]

阿利 莫二
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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ルソン戦―死の谷 (岩波新書) + フィリピン敗走記―一兵士の見たルソン戦の真実 (光人社NF文庫)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和19年暮れ、フィリッピン。日本軍はレイテ決戦で壊滅的打撃を受け、ルソン持久作戦に移る。第1回学徒出陣の学徒兵としてこの作戦に投入された著者は、飢えと疲労の行軍のなかで病いを得て倒れ、「死の谷」とよばれた谷間の病院で終戦を迎える。極限状況におかれた人間の姿を、四十余年を経たいま、痛恨の思いで振り返る。

登録情報

  • 新書: 175ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1987/6/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4004203783
  • ISBN-13: 978-4004203780
  • 発売日: 1987/6/22
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
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学徒動員により1944年11月に比島戦に投入された著者が見た戦争の真実。自らの怒りを抑制しつつ行政学者らしい冷静な目で記された幾つかの観察は、今後も色褪せずにその価値を留めるにちがいない。(不遜な話だが、多くの事項は、未だ今日の日本における企業経営・ガバナンスなどとも通底する話であろう。)

「文明への道程は長いが、原始への回帰は時を要しない」(14頁)。
「飢えの世界では、盗みは本能的な自己保存欲のあらわれでもある。この世界での盗みは、今の世の盗みと一緒ではない。ない者が、生きるために在る物をとって自分の物にする。ここでは文明社会の所有権は通用しない」(92頁)。
「軍隊が大きくなればなるほど、国民を守るための軍隊が軍隊を守るための国民となる。そして軍隊は軍隊を守るための軍隊、ついには司令部を守るための軍隊、隊長のための軍隊になっていく。軍隊では階級が上昇するほど生還率が高くなる」(105頁)。
「大きな組織は、給与、資材、要員などの必要条件が安定している場合には強い力を発揮する。・・・ ところが、一度その安定した条件が崩れると、世帯が大きいだけにかえって厄介になる」(147頁)。

個人的には、生死を分けるのはほんのわずかの運のちがいだけであったという話、「処置」(補助)や「後玉」(うしろだま)の話、病院で安楽死させられると思い込んだ著者がビタミン液を受け取らずに軍医から「毒だと思ってやがる」と嘲笑された話、ルソン戦の悲劇は大本営の降伏命令が日本の敗戦後も出ないことによって倍加した話などが印象に残った。毎年8月は一冊でもよいからこのような書物を読んで、思いをめぐらせたいと思う。
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ルソン山中、おたまじゃくしを食べて生をつないだ著者は、終戦後、米軍のトラックに拾われ、まさに死の直前で救われます。タイトルは『ルソン戦−死の谷』ですが、ここには「戦闘」の描写はありません。あるのはただ飢えて彷徨う兵士と民間邦人たちの姿です。戦争末期、ルソン戦(レイテ戦などを除く)に投入された兵力は日本軍約25万、米軍約18万。単に兵員の上では日本軍は米軍の上をいっていたようです。が、両軍の戦死者数(日本軍二十数万、米軍は八千余)が物語るように、実態は、すでに戦争とは言いがたい一方的もの。日本軍の戦死者は、戦闘で死んだ者よりも餓死、病死者の方が圧倒的に多かったのではないでしょうか。まさに悲惨の一言です。
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