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ルジャンドルとの対話
 
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ルジャンドルとの対話 [単行本]

ピエール・ルジャンドル , 森元 庸介
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商品の説明

内容紹介

ドグマ人類学によって西洋の根底を照射してきた
孤高の思想家が初めて明かす自身と世界への問いかけ。


わたしが使っていたラテン語の文法書にこんな例文があった。
「傲れる者は己を誇る(Superbus se laudat)。」
わたしはこの忠告にしたがい、自著の裏表紙にみずからを三人称で賞賛する紹介文を記すのを自分に禁じた。
この時代の嘆かわしい習慣だと思う。
少しとりとめのないラジオ対話をまとめた本書は、そんなわたしにとって二重の意味で大それたものである。

読者よ、ここで語っているのはひとりの老いぼれ(baderne)だ。
「老いぼれ」を辞書で引くと「老いて偏狭なひと」とある。
わたしは老いている。そしてまた偏狭だ。自分の限界を知っているからである。
「老いぼれ」は死語だが、ある元老院議員がそれを甦らせたのを知って気に入った。
間然するところなく進歩的なその議員は、ソルジェニーツィンを「老いぼれ」と呼び、
憎悪に満ちた言葉でかれの死に快哉を叫んでいた。
そこで、わたしは以下のように結論する。
老いぼれとは、欲しがるひとではなく、代償を払うひとのことである、と。
そしてわたしは、デマゴーグたちの自足と怨恨のために晒し台に括られたひとびとの
すべてに連帯の挨拶を送る。
政治秩序が再び準備を整えさえしたなら、
書くこと、語ることを禁じられるだろう、そうしたひとびとのすべてに。

この対話は、わたしが親しんだ知について、また研究上の、
そしてその他の交流について語るものである。
とはいえこれは、現在進行形の世界に関するいくつかの問いをめぐる対話でもある。
とくに、今日の西洋の語彙にあって、宗教、国家、マネージメント、
主体といった単語のうちに封じ込められた大切な人間的事象が話題になっている。

相手役のフィリップ・プティは、話の展開を優雅に見守り、
わたしが考えもなく妄言を口にしたりせぬよう注意を払ってくれた。
最後に、対話の終止符としてギィ・ベアールの歌を置いた。(ピエール・ルジャンドル)

内容(「BOOK」データベースより)

「読者よ、ここで語っているのはひとりの老いぼれだ。」ドグマ人類学によって西洋の根底を照射してきた孤高の思想家が初めて明かす自身と世界への問いかけ。

登録情報

  • 単行本: 192ページ
  • 出版社: みすず書房 (2010/3/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622075253
  • ISBN-13: 978-4622075257
  • 発売日: 2010/3/20
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
いわゆる中世解釈者革命について、基礎知識のない評者としては披瀝するところの多かった一書。ルジャンドル理解のための基礎文献の一と云えよう。

「まずは歴史を線として見ることをやめなくてはなりません。歴史は層を成していると考えることが必要です。言い換えれば、過去は抑圧されている、しかし決して消滅しない」(30頁)。
「『神曲』地獄篇には魔術師についての記述がある。魔術師は地獄でどんな災禍に見舞われているか。顔を背中へねじ曲げられて歩いているのです。つまり、後ろを向いているから、前に進んでいるつもりで逆の方向へ進んでしまう」(45〜6頁)。
「西洋にはローマ=教会法という巨大な構造体があります。これが西洋にとってはもうひとつの聖書を構成している。ローマ法、そして教皇庁を頂点とする教会システム。両者にまたがるこうした中世の構築物が近代の主要な制度を素描したのです。とくに国家という概念はそこから出てきた」(86頁)。
「コンスタンティヌス一世は、四世紀にキリスト教をローマの国教とした皇帝です。・・・ かれは皇帝として初めてキリスト教徒となった。伝説によれば、そのかれは当時の教皇に帝権の徴を贈与したことになっている。これが「コンスタンティヌスの寄進」です。教権はそこに依拠して、みずからを・・・帝国理念の継承者として打ち立てたのです」(119頁)。
「キリスト教はユダヤ教に由来する。けれども、キリスト教はユダヤ教に固有の規範性を切り捨てました」(同)。
「「愛の宗教」としてのキリスト教の中核には、一個の反法律主義が埋め込まれている。・・・ だからこそ、キリスト教世界は、己に欠けた規範性を補完するという課題に接して、その素材をローマ法の伝統に見出した」(183〜4頁、訳者解説)。

また、対談集ということもあり、具体的な発言から氏の来歴や人間性などについて伺い得るところも多かったことを付言しておく。
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