「いつもながら立派な言葉である」とモンテーニュがいうセネカの書いた手紙である。「生きることは戦うことなのだよルキリウス君」など名言もある。124通全文がまとまった日本語の本は従来簡単に読めなかった。岩波文庫のセネカの数冊で好感を覚えた読者はこの年下の架空の友人に宛てた手紙形式に同様の語り口を堪能できる。人をして余事を去って哲学と死に方を考えるセネカ節というべきもので再読三読・一生本の価値がある。本書は訳者が各通に題名をつけているので途中から選んで読み易い。2005年岩波からの重厚な全集もでていて若干読み合わせてみたけれども価格的には格段にこちらが安い(岩波は各通の要約と脚注多数)。本書には「ライフスタイル」という言葉が結構出てくるが2000年前では若干の違和感を覚えた。