「仏陀の役割は、慈悲と愛を道徳感覚、道徳的な意味へ置き換えて伝えることだった。その慈悲と愛の教えは、キリストによって慈悲と愛の行為へと発展した。人間が自我から愛を注ぎだす能力は、キリストに負っている。キリストがもたらしたのは生きた力、愛そのものであって、単なる教えではない。」等、仏陀とキリストについての神秘的な内容に満たされた本書は、訳者が「シュタイナーの仏教論の最重要文献」というだけあって、最初から最後まで息つく暇もないほど魅力あふれるものでした。話は理路整然として、キリスト教を知らない私には何の抵抗もなく受け入れられます。あのギリシャの聖者ダスカロスの考えとも近いのではないかと思います。
また、今まで他の仏教本ではなんとも理解できなかった「八正道」の意味や存在意義について、十分過ぎるほど納得できる形で説明されており、真の仏教に近づいたような感動を味わうことができました。