ルイ・アームストロング

 

Louis Armstrong 【ルイ・アームストロング】 ~サッチモの愛称で親しまれた“ ジャズの父”“ ジャズの王様” ~

Text : The Walker's 加瀬正之

LA's Great Album
『エラ・アンド・ルイ』『サッチモ・シングス・ディズニー』『サッチ・プレイズ・ファッツ』 に各種ライヴ盤をはじめ、長いキャリアの中でたくさんの名盤・名演を残しています。


若きサッチモが率いた伝説のバンドの名演
asin 『The Hot Fives Vol. 1』: 1925 年ニューヨークからシカゴ に戻った20 代半ばのサッチモが、当時の妻 リル・ハーディン(p) 等と結成したバンド=ホット・フ ァイヴ。同バンドが26 年に録音した「Heebie Jeebies」は、 ジャズ史上初のスキャット・ヴォーカル・ナンバーとして知られ るが、その曲も含め、伝説のバンド=ホット・ファイヴの名演16 曲を収録したアルバム。ジャケットにはトランペット片手にピアノの 前に腰をかけるサッチモを囲むように、メンバー4 人が微笑み談 笑しているようなショットが写っているが、何とも和やかな雰囲 気だ。バードやディジー、マイルスやコルトレーンもまだ登 場していない時代のジャズ~ 「Gut Bucket Blues」 「Cornet Chop Suey」等、若きサッチモの 熱演がぎっしりと詰まっている。




ジャズの父、ブルースの父を歌う
asin 『プレイズ・W.C. ハンディ』: ジャズ発祥の地=ニューオーリ ンズ。ミシシッピ川麓にある南部の街には今 でもその当時の名残がたくさんある。“ ジャズの父” こと、サッチモの銅像はニューオーリンズの街角にあるル イ・アームストロング公園に。そして“ ブルースの父” こと、 W.C. ハンディの銅像はメンフィスのビール・ストリート沿いの広 場に建ち、その表情はジャズとブルースというアメリカの伝統音楽 をそれぞれ温かく見守っているようだ。W.C. ハンディには、各地 で出会った黒人が口ずさむ生のブルースを譜面に起こし整理し たという功績がある。本作はサッチモがその“ ブルースの 父” = W.C. ハンディに敬意を表し、その優れた作 品群を自身のバンドを率いて熱演したアルバ ムで、1954 年に吹き込まれた。



サッチモこそ“ 癒し系” ~究極のベスト盤!
asin 『ホエン・ユー・スマイル~ベスト・オブ・ルイ・アームストロング』: 普段からハードなジャズばかり 聴いている方やジャズの原点に興味がある 方にはお薦めの1 枚! ハート・ウォーミングな歌声。 天まで届くような明るく楽しげなトランペットの音色。大きな 口から真っ白な歯を覗かせて、白いハンカチで額から流れる汗 を拭き拭きスタンドマイクの前で熱唱するサッチモの姿は、愛くる しいという以上にジャズの魂を感じる。iPhone4 のTVCM で話題 となった「君ほほえめば/ホエン・ユー・スマイル」、サッチモ の代表曲「この素晴らしき世界」等、サッチモの世界が詰ま った全20 曲を収録したベスト盤。辛くて悲しい時こそ、サ ッチモの素敵な音色と歌声、その笑顔で心を癒した い。ディジーもマイルスも敵わなかった“ ジ ャズの王様” は永遠です。




人懐っこい笑顔の裏側で…
“サッチモ” というあだ名の由来は、1930 年代初めにイギリ スを訪れた際に、あだ名だった「Satchelmouth (がま口)」 をイギリス記者が「Satchmo」と聞き間違えたことに始まると いう説や、「Such a mouth! (なんて口だ!))」から来た等の 説があるが、その人懐っこい笑顔と温かい人柄で世界中で愛 され続け、代表曲「この素晴らしき世界」はあまりにも有名 だ。だが、その満面の笑顔には、当時のアメリカ社会で激し かった人種差別において、如何にして白人社会に受け入れら れようかという苦肉の策の末に培った侘しさのようなものが見 え隠れする。白人社会に対する怒り、恨みといった感情を抑え、 自ら道化師の如き存在になることで、黒人とジャズの未来の 為に静かに戦い続けた“ ジャズの父”、そんな気がしてなら ない・・・。それ故、その歌声とトランペットの音色には、明るさ やユーモア以外に、何とも言えぬ温もりや哀愁が感じられる。



リル・ハーディン・アームストロング
サッチモの元妻(1931 年別居、38 年離婚) で、キング・オリ ヴァーのバンドで知り合い結婚。ホット・ファイブ~ホット・セブ ンにピアニストとして参加。1971 年8 月27 日、サッチモ追悼 コンサートでピアノ演奏中に心臓麻痺を起こし帰らぬ人となった。



日本ルイ・アームストロング協会
サッチモの業績を顕彰し、サッチモのジャズを通して世界中 の人々に愛と芸術で平和をもたらす精神を継承する為、ジャ ズ演奏家の外山喜雄・恵子夫妻が中心となって1994 年に 「ルイ・アームストロング・ファンデーション(LAF) 日本支部」 としてスタートし、1998 年に「日本ルイ・アームストロング協会」 として組織を拡充した日本で唯一のサッチモ・ファンの集まり。


バイオグラフィー

1901 年8 月4 日、米国ルイジアナ州ニューオーリンズのストーリーヴィル地区で生まれる。本名はLouis Daniel Armstrong。黒人地区の貧しい環境で育ち、子供の頃に祭りで浮かれてピストルを発砲したことによって少年院に送られるが、その少年院のブラス・バンドでコルネットを演奏することで楽器と出会う。23 年にシカゴに移り、キング・オリヴァー楽団に加入。同年初のレコーディングを行う。翌24 年にニューヨークに移り、フレッチャー・ヘンダーソン楽団に在籍し、ベッシー・スミス等とも共演。25 年にシカゴに戻り、自身のバンドの“ ホット・ファイヴ” を結成。30… 続きを読む

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