バイストンウェルと言う異世界を舞台にしたヒロイックファンタジー。
原案・総監督の富野由悠季氏といえば「ガンダム」という連想が一般的かと思いますが、氏にとってはこちらの「バイストンウェルシリーズ」の方こそがライフワークと位置付けられるほどの情念をこめて小説、OVA等で発表していたシリーズです。
今巻は第2巻で、前巻は主に地上でストーリーが展開していましたが、今巻はいよいよバイストンウェルでの展開となります。
ここまで視聴してきた印象としては、今までに発表されてきたバイストンウェルをテーマにした作品の集大成的な世界観を描こうとしている様に感じられますね。バイストンウェルをテーマにした作品は『聖戦士ダンバイン』『リーンの翼(小説版)』『ファウ・ファウ物語』『オーラバトラー戦記』『ガーゼィの翼』等が挙げられますが、それらの作品を一度分解し、再構築し直して創られた世界という印象です。故にどこかで見たキャラクターや、設定、人間関係が其処彼処に見られる訳ですが、散っていたイメージを一本化して、新たな解釈にて統合し描き出しているとも言え、「バイストンウェルシリーズの本命」と評される様な作品になりそうですね。
映像面での演出はさすがに熟練の技を随所に見せてくれています。ワーラーカーレーンでは、フェラリオの世界と言う現実離れした設定であるが故、原色を多用した非常にマンガチックな表現がなされていますし、バイストンウェルでは、戦艦やオーラバトラーに見られる、機械と生物の融合にこだわった動きの表現が見事です。
相変わらず説明一切抜き、動きと台詞から見ている側が読み取る努力をせねばならない創りがされていますので、そういった事を楽しめない方には受け入れ難い作品かと思います。しかし、腰を据えてじっくり楽しめるだけの要素は充分に詰め込まれていますので、何度も繰り返し視る事で真の面白さが伝わってくる作品と言えますね。